森みどりの府議会レポートNo.3

予算要望書を提出
8月5日に民主党・無所属ネット大阪府議会議員団として、平成15年9月議会および平成16年度予算に向けた要望を取りまとめ、太田房江大阪府知事に手渡しました。
要 望 書
1 地方自治システムのあり方
(1)地方分権と大阪の将来像
地方分権の推進
地方財政の三位一体の改革の状況を踏まえ、地方自治、地方分権がより一層進められるよう以下の3点について、国に強く求めること。 (ア)国の税源の一部を地方に移譲することにより、国と地方の税源配分を実際の歳出比率に見合った2:3とすること。 (イ)国と地方の役割分担を見直し、事務配分を精査した 上で、補助金・負担金を地方へ一括交付すること。 (ウ)地方交付税の役割を財政調整機能の強化へ改め、複雑な制度を簡素化すること。
大阪府の将来像
(ア)大阪府・大阪市の2重行政解消に向けた研究や大阪市との協議をさらに進めること。特に、雇用・経済対策、環境行政、感染症対策、大規模建築物に対する規制など府市が一体になって取り組むべき施策を整理し、府市が合同した行政を展開すること。(イ) 地方分権社会の具体化を図るため、自主的・主体的な市町村合併の推進を図り、政令市や中核市、特例市への移行を促進するなどにより、思い切った市町村への権限移譲を進めること。
2 景気の回復と雇用の確保
(1)府営住宅のストック活用
(ア)景気対策のため、府営住宅建替え戸数16200戸 (10年間)の目標を2倍に引上げ、建替えの前倒しを図 ること。(イ)府営住宅の円滑な建替えを図るため、企画力や資金力といった民間活力を活かした建替え手法を確立すること。(ウ)府営住宅の老朽化に対応した府営住宅全体の建替計画および良好な住宅として府営住宅を維持するための改修計画を策定すること。
(2)りそなへの公的資金注入問題
りそなの経営姿勢
地域経済への貢献は金融機関の本来的な使命であるので、りそな銀行が今後とも中小零細企業重視、関西経済重視の経営姿勢を維持するよう注視し、必要があれば金融監督庁及びりそな銀行に対して要望を行なうこと。
りそなの指定出資法人への貸付金
りそな銀行から府の指定出資法人へ引き続き円滑に融資が行われるよう、働きかけること。
指定金融機関のあり方
特定の銀行に過度に依存するリスクを考え、指定金融機関のあり方を検討すること。
(3)中小・零細企業への貸し渋り、貸しはがし対策とヤミ金融の取締り
中小零細企業に対する制度融資については、利用要件のさらなる緩和を図るなど、より利用しやすい制度とすること。特に審査期間の短縮など融資が迅速に行われるようにすること。中堅中小零細企業と金融機関がともに支えあいながら発展するという、本来の関係を取り戻し、デフレの克服や金融不安を招かないためにも、中堅中小零細企業の多い大阪経済へ資金が円滑に供給されるようにすること。借金の取立てに際して暴行傷害等が認められる貸金業者はもちろんのこと、貸金業規制法・出資法など関係法令を厳格に適用し、悪質業者の取り締まりに努めること。貸金業登録業者の指導徹底を図ると共に、悪質な業者に対しては刑事告発を強化し、業務停止処分など厳しい処分で対処すること。また、被害者救済のため、警察本部、弁護士会などと連携して対策会議を設置すること。
(4)中小零細企業の振興と創業支援
中小零細企業の経営者の高齢化が進んでおり、後継者不足などから廃業が更に増加する恐れがある。長年積み重ねてきた優秀な技術が引き継がれやすい制度が必要である。中小零細企業、協同組合、NPOの事業譲渡に対しての支援策を充実させること。 「元気出せ大阪ファンド事業」の推進により、多額の不良債権を有していても本業が黒字で事業再生の可能性を有している中小企業に対し、民間の再生ノウハウと資金を活用した再生支援を実施すること。 地場産業や産業集積地、商店街への支援を強め、そこで発掘した商品などに「大阪ブランド」を認定し、中小零細企業の技術力や商品の魅力を情報発信すること。 ベンチャー企業の創業期における相談事業の充実など、企業の創業支援に努めること。また、その支援は関係機関の連携による利用しやすい制度とすること。
(5)雇用対策の充実
雇用・職業安定行政については、国から地方へ権限の移管をおこなうよう国に働きかけること。 「12万人緊急雇用創出プラン」の実施により実効性のある雇用創出事業を大阪独自に行い、大阪府内の失業率が全国水準以下に下がるよう努めること。 緊急地域雇用創出特別基金事業が平成17年度以降も継続されるよう国に要望すること。
(6)公正適正な入札制度と下請け保護
建設工事における「低入札価格調査制度」の適用に際しては、業者間の過当競争を助長することなく、契約内容に適合した履行の確保が担保されるのかどうかのチェックを十分行い疑義が生じた場合には失格とさせること。 公共工事の発注者として、府は業者の労働基準法違反や元請業者の倒産により労働者の賃金や下請け代金の不払いがないよう契約方法を改善すること。 「政策入札制度(総合評価制度)」の実施にあたっては、法定最低賃金、労働基準法・雇用機会均等法の遵守などの公正な労働基準を踏まえることを前提とし、障害者の雇用状況や雇用の取り組みなど、事業者の福祉への配慮も高く評価すること。また、モデル実施の結果を踏まえ、対象とする業務の拡大を図ること。
(7)深刻なホームレス問題への対応
国において「ホームレスの自立の支援等に関する基本指針」が策定されたが、府においても就労対策の充実、住居の確保の推進等支援策を盛り込んだ「実施計画」を策定すること。 ホームレスとなることを余儀なくされるおそれのある者に対して、就業機会の確保、シェルター等による居住場所の確保など野宿生活にならないような施策を積極的に実施すること。
(8)経済の空洞化対策
有形無形の損失が生じている在阪大手企業の本社機能の移転並びに人員流出を阻止するため、経済団体・大阪市と協議会を立ち上げること。
(9)商店街の振興
超高齢社会の生活基盤となる近隣型商店街を消滅させない決意の上に、支援策を講じること。また、商店街に対する各種支援策(特にアーケード、カラー舗装、防犯対策)は、商店街の法人化・組織化の有無にかかわらず同一条件とすること。
3 医療・福祉の充実
(1)SARSなど新型感染症対策
「伝播確認地域」を有する国から新型ウィルスに感染している可能性のある人が入国することがないよう、関西国際空港等水際での阻止に万全の対策をとること。 国、都道府県、市町村、関係機関が果たす役割を明確にし、連携して行動することができるよう対応指針を策定すること。 情報公開に伴って施設・事業所などで起きた風評被害については、府として速やかに調査を行い、適切な対応を行うこと。
(2)福祉医療振興補助金のあり方
福祉医療振興補助金については、制度創設当初の補助金の目的・役割を再検討し、そのあり方について抜本的に改善を図ること。
(3)小児医療【健康福祉部】
地域の小児科医師はもちろん内科医等が小児一次救急医療に参画しやすいように取り組むこと。 一次救急医療の連携体制を確立すること等により、既存の貴重な医療資源を更に有効活用すること。 子どもを育てる親の育児不安を解消するため、医療機関の情報提供、子どもの症状に対する知識や応急手当などの情報の提供に努めること。
(4)府立の病院
国が地方公共団体への導入を検討している地方独立行政法人制度や地方公営企業法の全部適用といった手法については慎重に検討すること。 精神医療センターについては、早期に現地建替えをすること。また、整備にあたっては、地元市の意見を十分聞くこと。
(5)地域福祉の充実
府内の高齢単身者は、25万人を超えている。一人暮らしの高齢者に対する生きがいづくり・健康づくりなどの福祉施策を行うこと。 中・広域的な高齢者クラブ(老人会)活動など、高齢者の地域での生きがい活動を支える、情報整備や日常活動に対する新たな支援策を構築すること。 高齢者施策の実施に当っては、グループホーム、街かどデイハウスなど、地域型・NPO型在宅福祉中心の介護体制を重視したものとすること。 痴呆性高齢者グループホームモデル事業が泉北ニュータウンに開設されたが、その運営状況等実績を踏まえ、府営(公営)住宅に設置できるよう整備基準や要件緩和について検討すること。 街かどデイハウス支援事業は、現行の助成制度を維持し、引き続き府内全中学校区を目標に整備すること。
(6)介護保険制度の見直し
介護サービス提供事業者については、利用者への情報公開を進めるとともに、公正に利用者決定がなされるよう指導・監督を強めること。また、利用者の自己選択が最大限保障されるよう、施設指導を強めること。 市町村との連携のもと、総合的な地域福祉相談体制を整えるよう努めること。介護保険事業者のサービス品質を向上させるため、オンブズパーソンを中心とする、適切な第三者機関の創設を検討すること。 低所得者の保険料減免措置を、国に対して強く働きかけること。 介護支援専門員(ケアマネジャー)の交流や研修を強め、資質の向上や所属施設に偏らない利用者本位の介護メニュー作成が適正に行なわれるよう、指導を強化すること。 介護サービス提供基盤を充実するため、介護保険事業者の人材確保とケアマネージャーの就業促進を支援すること。
(7)介護保険の移送サービス
利用者、特に透析患者や難病患者の通院に負担をかけないものとするため、道路運送法の許可のない訪問介護事業者も、介護保険の移送サービスに従事できるよう国に要望すること。
(8)行政の福祉化推進と福祉雇用の拡大
行政の福祉化推進プロジェクトをさらに具体化し、府関係での福祉雇用目標値を含む雇用計画を策定すること。 障害者小規模作業所の法人化に当たって、府・市町村の協力のもと、支援策を講じること。
(9)保健所の統廃合
保健所の統廃合の実施にあたっては、市町村と十分協議を行い、府民サービスの低下をきたさないようにすること。
(10)障害者支援費制度
負担については、障害者本人の収入を基本としたものとなるように、国に対して働きかけること。 また、利用時間数、日常生活支援や移動介護等が利用実態やニーズに合った利用者本位のものとなるよう国に対して制度改革を求めること。 府下の市町村で、利用者数、利用時間数、個々の支給決定内容・支給量、事業者数に格差があり、サービス基盤全体の底上げを図るため、各自治体の全体状況を把握すること。 利用に際して、障害種別、障害等級、利用時間数、家族同居等各種制限を撤廃し、障害者個々のニーズに対応した利用の保障を図ること。 介護ケースや必要に応じ同性介護が行なわれるよう、府として事業者にガイドラインを示すなど障害者の人権を配慮すること。
(11)動物愛護の推進
「動物愛護センター」の早期設置を図ること。小中学校において、「学校獣医師制度」を創設し、動物愛護教育の一層の推進を図ること。
(12)精神障害者への支援
障害者が障害者を支援するという「ピア・(ホーム)ヘルパー」養成事業を通じ精神障害者の就労機会の拡大を進め、精神障害者の社会復帰が進むよう取り組むこと。また、精神障害者の地域生活支援を充実させるため、社会復帰施設の建設、運営に支障がないよう、財政的支援を国に要望すること。
(13)難病対策
府立の病院において、難病治療の研究に取り組むこと。 患者同士が交流できるセンター設置に向けて支援すること。
4 未来を志向した行財政改革と大阪府の活性化
(1)改革の実行 大阪の空港問題
(ア)関西国際空港が抱える巨額の建設コストは、大阪国際空港の公害問題を解決するために我が国初の公害のない海上空港の建設に伴い生じたものであり、関空の高コスト構造を生み国際競争力を阻害する要因となっている。その認識の下、国際拠点空港として諸外国の空港と競争できるような仕組みづくりを国に求めること。 (イ)空港の利用促進や空港島のにぎわい作りのために、関西国際空港への連絡橋については、通行料を無料とすること。 (ウ)大阪国際空港については、現在の第1種空港の位置付けを堅持するとともに、周辺住民の安全で良好な生活環境を確保するために引き続き環境・安全対策を充実させ、利用者利便の確保並びに空港と地域の調和ある発展を図るよう国に求めること。 (エ)関西の空港行政を一体的にとらえ関西国際空港と大阪国際空港を総合的に考えた経営のあり方を検討すること。
大阪の交通政策
(ア)都市交通対策として、自転車ゾーンの整備や自動車の乗り入れ規制などの地域モデル事業を実施すること。また歩行者・自転車・車両3線分離を推進すること。 (イ)地域住民の踏み切り改善の要望については、鉄道事業者との協議が長期化する場合に、踏切道改良促進法の知事の申出制度などを活用し、国の指定が早期に得られるよう努めること。 (ウ)するっと交差点対策をすみやかに実施し渋滞解消を図ること。
府大学のあり方
(ア) 府立3大学の統合に早急に取り組むこと。 (イ)「大学改革基本計画」にあるとおり、法人化の実現による自律的・自主的な大学運営の確保や柔軟で弾力的な制度の構築、さらには目標評価システムの導入などを実現すること。 (ウ)府立大学は、「中百舌鳥」を中核とする総合大学として大学改革の推進をはかること。
「構造改革特区」の推進
(ア)工場等制限法の廃止を踏まえ、企業誘致を推進するため、土地取得税や事業所税、固定資産税などの免除を図る「企業誘致・ものづくり特区」を府の指定する地域において実施すること。 (イ)府民生活に密接に関係する分野の規制緩和を推進するため、今後府においても積極的に国に対して提案していくこと。
企業局の事業収束に向けた取り組み
企業の立地ニーズの把握に努め、定期借地方式の活用等により企業立地の促進を図り、企業局の事業収束に取り組むこと。
公共事業のあり方
(ア)自然災害による被害に対する災害補償制度を確立することを前提に、槇尾川を含むダム計画について、引き続き、事業効果の検討や事業のあり方を見直し、再検討すること。 (イ)全国一律の道路設計基準を改め、国基準に縛られずに地域の実情に応じた道路設計ができるよう国に要望すること。
NPOとの連携
NPO法人の適切な運営がなされるようNPOの評価システムを創設すること。
(2)IT化の推進とセキュリティの確保
電子府庁( e−ふちょう)の推進と新庁舎
(ア)総務サービスセンターのシステムの稼動を来年に控え、定期人事異動の時期を5月中旬とするなど混乱のないよう万全の策をとること。 (イ)高額な賃借料軽減のため、PFIも含む民間手法による新庁舎建設に取り組むこと。また、最新のIT技術を活用した、環境モデル型庁舎として、過去の設計を大幅に見直し検討すること。
市町村の情報化の推進
(ア)電子自治体推進協議会などの活動を充実し、総合行政ネットワーク全市加入を踏まえ認証システム、電子入札など市町村の情報化を支援すること。今後の本格的な電子申請に向けて諸課題を明らかにすること。市町村行政の情報化に伴うセキュリティ対策の人材育成を早急に行うこと。 (イ)緊急のセキュリティ問題に対応する「情報のレスキューチーム」について検討すること。
(3)生活に密着した社会資本の維持・整備
道路などの整備
(ア)社会資本の良好な維持管理のために、幹線道路の維持管理予算は必要額を確保すること。 (イ)都市景観や防災上の観点などからも、電柱の地中化について計画的に進めること。 (ウ)防災上の観点からも、急傾斜地対策について計画的に推進すること。
生活排水の適正処理
下水道や合併処理浄化槽等の特性、効果、経済性などを十分検討し、市町村において適切な生活排水処理計画の策定や見直しが図られるよう、市町村と連携し、財政支援を含む十分な支援を行うこと。
水道事業の運営
(ア)水道事業については府が責任を持ち、今後とも安全・安心な水の安定供給を図ること。 (イ)水道事業については、引き続き、効率的な経営に努めるとともに、新規投資にあたっては、減価償却や支払利息など府水道事業の経営を圧迫しないよう、計画的に取り組むこと。
5 環境保全活動の推進
(1)地球温暖化対策・ヒートアイランド対策の推進
京都議定書の着実な実施に向け、「大阪21世紀の環境総合計画」に基づく庁内エコアクションプランの具体化、庁内の分別収集・リサイクル推進に取り組むこと。 ヒートアイランド現象の改善のため、駐車場や学校グラウンドの芝生化、屋上や壁面の緑化、家庭やオフィスでの冷房使用の抑制、道路の透水性舗装といった対策の有効性を検証すること。 太陽光発電について、積極的な導入を図ること。 風力発電について、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の補助を活用するなどして、堺7−3区で実現を図ること。
(2)ディーゼル車の排ガス対策
排出ガス規制対象のディーゼル車の買い替えの促進を図るため、融資等の助成を行い、大気汚染の防止に努めること。
(3)ゴミの減量化・リサイクルの推進
家電リサイクル法の抜本改正、デポジット制度の導入を図るよう、国への働きかけを強めること。また、既存再生資源業者を活用することにより、不法投棄の発生を抑制し、消費者の負担軽減を図る新しい家電リサイクルシステム(大阪方式)を確立させること。 事業系ゴミの処理実態を把握し、資源の再利用が図られるようリサイクルシステムを検討すること。 家電リサイクル法の法定外品目を含め、電気製品のリサイクル体制を確立すること。 府民に対するグリーン購入についての啓発を進めるとともに、府自身も対象品目の拡大に努めるなど環境に配慮した製品を積極的に購入すること。 ゴミの減量化の推進に当たっては、府内各市町村と協力し、家庭ごみの収集の一部有料化、リサイクル推進の広域連携、分別収集品目の統一化に取組むこと。
(4)エコエリア構想の推進
堺7−3区等を活用し、共生の森をはじめ、エコエリア構想を地元市の意向を踏まえ積極的に推進すること。
(5)食の安全確保
適正な食品表示を徹底していくため、消費者と連携した食品監視制度の活用により監視体制を充実させ、悪質な違反業者については公表するなど厳しい態度でのぞむこと。また、国、市町村との情報交換など連携を図ること。 学校給食において、地産地消を推進し、府内産農林水産物の利用促進と食の安全・安心を図ること。
(6)快適な農空間の保全対策
景観形成、防災、安全な食料生産など多面的な機能を備えている農空間を保全するため、地域が一体となった秩序ある土地利用を図り、農空間を保全、活用する仕組みを構築すること。
(7)都市型農業の振興
都市近郊の立地を活かした近郊農業の育成に取り組み、府民に新鮮で安全な地場産の農産物を供給するため、栽培技術の改良やなにわ特産品の認定などにより、地域の特産物を開発すること。 農業協同組合の農政部門を拡大・充実させ、農産物の流通を含めた近郊農業の振興を図ること。
(8)木になる夢銀行事業の推進
子どもが緑化や自然環境に対する関心・興味を持ち、地域社会との関わりを広げることができる体験型環境学習を実施すること。
6 教育の向上
(1)小・中学校の学力問題
学力の定着と向上のためには、教員の指導力の向上が不可欠であることから、今後とも、教員の実践的指導力を一層高めるための体験的な研修等を充実すること。 学力実態調査については、得られた調査結果が、各学校における基礎的な学力の定着と発展的な学習の展開に資するものとなるようにすること。また、調査結果の取扱いについては、単なる数値比較による学校の序列化につながることのないよう、調査結果の集約や公表の在り方等について十分配慮すること。
(2)高校卒業生の求人確保
大阪労働局、教育委員会と連携し、より一層の求人開拓や職業能力開発など府としてとりうる方策等を検討し、高校卒業生の就職未定者の就職確保に取り組むこと。 一定規模以上の企業には、新卒の採用を義務付ける条例を制定すること。 求人先の確保に努めるほか、就職希望者数や企業訪問数の多い高等学校には人的措置を含めた支援をすること。
(3)定時制の学校給食の見直し
定時制の学校給食について、提供方法や食事時間帯に創意工夫を凝らし、本当に必要とする生徒のための給食制度を安定的に確立すること。
(4)障害児教育と福祉教育
知的障害者の小・中学校での普通学級への受け入れを積極的に進めるとともに、高等学校については、早期に全学区での受入れを図ること。 重度重複加配教員を含めた府単独加配教員の見直しが提起されている中で、今後とも、養護学級の教育水準を低下させることなく、教育水準の確保に努めること。 小・中学校の障害児が在籍する普通学級に対する必要な人員配置を府として行うこと。 養護学校高等部での就労訓練を重視し、学校運営や教員配置の抜本的な改革に取り組むこと。 盲聾養護学校における養護教諭の配置比率を高めること。 就学指導は、本人や保護者の意向を十分尊重し、丁寧な教育相談や的確な情報提供を行うよう市町村教育委員会を指導していくこと。
(5)多様な教育の保障
府立高校の特色づくりについては、生徒の個性や興味、関心に応じた多様な選択が可能となるよう、総合学科や普通科総合選択制(全日制単位制)など、総合的な高校づくりを基本に進めること。なお、多部制単位制高校(クリエイティブスクール)については、地域バランスを考慮し、府内全域に広く設置していくこと。 学校・家庭・地域が連携して、子どもの教育に関わる「すこやかネット」の取り組みをさらに充実していくための方策を講じること。 中国からの帰国者や新しく日本にやって来た外国人の子どもに対する日本語指導の充実を図るなど、教育を保障すること。 多様な経歴を有する社会人を府立高校の教員補助者として配置し、学校教育の活性化と開かれた学校運営の実現を図る府立高校いきいきプラン活用事業を継続すること。
(6)教職員の資質向上
現在試行中の「教職員の評価・育成システム」について、本格実施に向けては、十分に検証を行うとともに、教職員育成の視点を踏まえ、評価者訓練を十分に行うこと。
(7)教育条件の改善
子どもの多様性に対応するため、学級定員数を引き下げた30人学級のモデル実施を実施すること。 公立中学校、高校での複数校による合同部活動を進め、公式大会にも参加できるよう、関係スポーツ団体に働きかけること。
(8)情報教育
「学校インターネット」事業およびITを活用した授業の取り組みについて、成果発表会・市町村ヒアリングを踏まえ、大阪独自のシステムを検討すること。また平成16年度以降の事業について、国に要望を行うこと。各市町村教育委員会や学校などに整備されているサーバーやパソコンのヘルプデスクやコールセンターの役割を担う人材の育成や教育用デジタルコンテンツの共同開発のために、教育委員会、関係部局、学校、企業等が入った協議会を設置すること。ホームルーム教室にパソコンとプロジェクターを設置し、IT活用のモデル校を支援すること。
(9)シックスクール対策
幼稚園、保育所、小・中・高校の校舎改修、補修時に有害物質の濃度を測定しシックスクールによる健康被害が発生していないかどうか把握すること。
7 助け合いと相互理解のまちづくり
(1)子育て・子育ち支援
対象の拡大や環境整備などの学童保育の充実を図ること。子どもが日常的に外遊びやスポーツに親しむため、府営公園にあるスポーツ施設に別途割安な子ども料金の設定を行なうこと。 児童虐待の発見後のケア、特に親のケアのために、子ども家庭センターの体制を強化すること。児童虐待の早期発見、早期対応のため行政、教育機関やNPO法人・民間団体のネットワークを整備すること。とりわけ、児童虐待防止活動をNPOに委託し、育成事業として取り組むこと。育児休業制度による0歳児の育児を基本に置き、0歳児保育や病後児保育、一時保育等、待機児童の解消と仕事と家庭の両立が可能な保育体制の充実を行うこと。 就学前児童の教育、保育については、府として担当課の連携を十分に図り、「幼保一元化」の取り組みの推進体制を確立すること。また、幼稚園、保育所の機能については、府内各市町村の実態や国の動向を踏まえ検討し、将来を見据えたあり方を示すこと。幼稚園・保育所に対する助成についても統一するための検討を行うこと。公立幼稚園におけるあずかり保育について研究すること。特に幼稚園の午後2時以降の空きを利用できないか検討すること。
(2)男女共同参画社会実現への取り組み
「大阪府男女共同参画推進条例」および「おおさか男女共同参画プラン」を着実に推進させ、大阪府が男女共同参画のモデル職場となるようさらに取り組むこと。特に男性職員の育児休業取得率を高めること。 男女均等待遇を進めている企業に対する優遇措置を講ずること。 夫や恋人からの暴力(ドメスティック・バイオレンス、DV)などの性暴力防止のため、女性の人権尊重、暴力によらない問題解決方法の取得、加害者の再教育を含むコミュニケーションスキルなどを身につけるプログラムを開発し、普及に努めること。 DVを防止するため、24時間対応できる公的専門的相談機関を作ること。民間シェルターと公的機関とが連携した取り組みを行うことによりDV対策を推進すること。とりわけ緊急一時保護については、現状では民間シェルターの果たす役割が大きいことから、財政支援を含めた適切な連携を行うこと。
(3)福祉のまちづくりの推進
面的整備を含め、既存施設についてもさらなるバリアフリー化を推進すること。特に障害者や高齢者にとって移動の障壁となる駅舎に、エレベーターを設置すること。
(4)青少年育成事業の推進
青少年をとりまく環境が著しく変化する中で、青少年会館をはじめとする府立の青少年健全育成施設において、先駆的・モデル的な事業の充実を図り、広域的・専門的な青少年育成事業を実施すること。 大阪府迷惑防止条例改正後もピンクチラシ(迷惑ビラ)の配布行為や貼り付け行為が依然として続いていることから違反者の取締りを強化すること。また、ピンクチラシの印刷業者についても罰則の対象となるよう検討すること。
(5)府営住宅の入居募集
府営住宅の入居募集について、実態上世襲制のような状況を改善し、入居者の年齢層が多様化するよう新婚世帯向けの期限付き入居制度なども検討し、制度の改善を国に働きかけること。
(6)特定優良賃貸住宅の空家対策
入居者負担額の上限である契約家賃は市場家賃の低下を受けて引き下げているが、新規入居時の入居者負担額は供給当初で固定されたままとなっており、市場家賃に連動して引き下げること。 特定優良賃貸住宅制度について見直し、問題点を検証し、現在の所有者が不利にならない制度として再出発すること。
8 安全・安心なまち大阪
ひったくり・路上強盗等の府民の身近で発生する街頭犯罪などによる治安情勢の悪化に対し、政令定数による警察職員の大幅な増員を国に対して、引き続き強く働きかけること。 警察職員の配置については、ひったくりや路上強盗等の街頭犯罪や各種事件事故が多発している地域の警察署や交番を優先すること。 安全なまちづくり推進協議会について、活動内容の活性化を図ること。 パソコンの増設やネットワーク化など警察署のIT化を進め、警察事務の効率化を図ること。 街頭犯罪防止のため、府内において街頭緊急通報システム(スーパー防犯灯)の設置を国に対して積極的に働きかけるとともに、市町村と共同で推進すること。 府の管理する施設において、街路灯や防犯灯を積極的に設置すること。また市町村に対しても街路灯や防犯灯の設置をうながすこと。 府民生活に重大な不安感を与える放火や路上強盗が連続発生した地域への警ら活動等の強化対策を推進すること。 自転車の運転マナー向上のための対策に取り組むこと。 また、自転車に夜間、自動点灯するライトを取り付けるよう啓発すること。 大阪市内を中心に依然として厳しい違法駐車問題の解消を図るため、関係機関・団体と連携した広報啓発活動を展開し、府民の交通モラル向上に努めるとともに、違法駐車の取り締まりを専門とした「駐車違反取締官」の創設を国に求めるなど、駐車秩序の回復に努めること。 歩行者と車が交差点を通る時間を分ける歩車分離式信号の設置を促進すること。特に小中学校近辺の信号や歩行者を巻きこむ交通事故が発生した交差点はすみやかに歩車分離信号とすること。
