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森みどりの府議会レポートNo.10

2004年9月定例会〜健康福祉常任委員会

民主党・無所属ネットの森みどりです。今年の夏話題になった「誰も知らない」という映画をご覧になったでしょうか。主演の14歳の少年が、今年のカンヌ映画祭で最優秀男優賞を受賞したことから、一躍注目されましたが、内容は大変シビアでショッキングなものです。ストーリーは、「都内の2DKアパートで大好きな母親と幸せに暮らす4人の兄妹。しかし彼らの父親はみな別々で、学校にも通ったことがなく、長男を除いて3人の妹・弟の存在は大家にも知らされていなかった。ある日、母親はわずかな現金と短いメモを残し、兄に妹や弟の世話を託して家を出る。この日から、誰にも知られることのない4人の子どもたちだけの"漂流生活"が始まる‥‥。」というものです。この映画はまったくのフィクションではないそうです。実際にあったことに基づいて作られたと聞きました。都会の片隅で、いや都会だからこそ、子どもたちが親に見捨てられ、誰にも気づかれることなく、過ごせてしまうのかもしれません。見終わったあと、知ってしまった大人の責任をひしひしと感じずにはいられませんでした。さて、このような子どもの置き去り放置は明らかに虐待です。が、置き去りにした母親だけを責めて終わりにならないのは、みなさんもお解かりだと思います。この母親が経済的にも精神的にも自立しきれていない現実、これをどこまで社会的に支えていくシステムを作るのか。父・母どちらかひとり親の家庭であっても子どもを育てられる環境を如何に作っていくのか。それでも尚、親による子育てができなくなったとき、代わって子どもを育てるシステムが十分に保障されていること。これで始めて子育て日本ーの内実ができるのではないでしょうか。さて、昨年よりことあるごとに児童虐待の問題を取り上げてきましたが、今年度においても、虐待で命を落とす子どもが後を絶ちません。岸和田事件の記憶もまだ生々しい中で、幼い兄弟が同居の男性から虐待を受け、生きたまま川に投げ込まれ殺された栃木県の事件、また大阪堺市でも3歳の男の子に暴行を続けていた父親が逮捕された事件、これはすんでのところで2人の子どもが保護されましたが、高石市では2歳の男の子が虐待を疑われる状況で死亡して見つかるという事件が相次いでいます。事件の詳しい検証がなされているとの報告がありましたが、大阪の事例ではどちらも近所などからの通告により中央子ども家庭センターがキャッチしていた事例であること。どちらも子どもに接触し、あざ等虐待を疑いうる状況を把握をしていながら、対応が遅れていたのはなぜなのか。この点も十分な検証をしていただき、結果を知らせていただきたいと思います。まずは子どもの命を守ること、このことを最優先にしてすばやく対応するいうことを再度要望しておきます。虐待がひとたび顕在化すれば、子どもは命の危険にさらされます。かろうじて未然に保護ができたとしても、心に受けた大きな傷を癒すのはたやすいことではないでしょうし、家族の再統合の道程も大変険しく長いと思います。その意味では早期にハイリスク家庭を把握し、さまざまな形でアプローチしていくことが大切だと考えます。そのことを念頭において順次質問をいたします。

1、超低出生体重児親子への支援について

質問:森みどり

昨年5月、議員になってまもなくの頃、「府立母子保健総合医療センター」を視察させていただきました。周産期医療や新生児への高度医療の発達によって、出生時に1,000gに満たない本当に小さな子どもの命も生かすことができることを間近に見せていただき、大変感動しました。しかしその後、未熟児として生まれてきた子どもの成長過程では、親子あるいは家庭において、さまざまな問題を抱えておられることがわかり、この問題についてお尋ねしたいと思います。全国的な少子化の進行で、大阪府においても、生まれてくる子どもの数が、1975年の95,145人から減少傾向をたどり、2001年には48,963人とほぼ半減していると聞いています。それに対し、1,000g未満で生まれる超低出生体重児の出生数は、1975年の41人から2001年154人と、ほぼ4倍に増加しています。これは先程も申しましたように、周産期医療のめざましい進歩により、救命率が上昇しているものと思いますが、超低出生体重児の出生後の状況はどのようになっているのでしょうか。

答弁:地域保健福祉室疾病対策課(松下彰宏課長)

超低出生体重児は、疾患や障害を伴った場合が多く、母親は不安感や罪悪感を強く持つことがあるため、子どもだけでなく、親に対しても早期からきめ細やかな対応が必要と考えます。
保健所において、母子に対する支援のため保健師が早期に家庭訪問など実施し、必要に応じて専門相談の場につなげ、医師、心理士、理学療法士などによる支援に取り組んでいます。また、未熟児教室を開催し、子どもの発達援助と親同士の交流を行っています。

質問:森みどり

超低出生体重児を出生したお母さんならびに家族の皆さんは、入院中や退院後も子どもさんの疾患に関わらず、悲嘆や不安、期待などさまざまな感情が交錯するなかで生活して折られるようです。「子どもに申し訳ないと、自分を責めてしまう」とか「祖父母が会いに着てくれない」など落胆や不安の声も聞いています。このような親や家族の状況をどう理解されているのか。また出産後は保健所のかかわりが重要であると思いますが、支援の現状はどうなっているのでしょうか。

答弁:地域保健福祉室疾病対策課(松下彰宏課長)

超低出生体重児は、疾患や障害を伴った場合が多く、母親は不安感や罪悪感を強く持つことがあるため、子どもだけでなく、親に対しても早期からきめ細やかな対応が必要と考えます。
保健所において、母子に対する支援のため保健師が早期に家庭訪問など実施し、必要に応じて専門相談の場につなげ、医師、心理士、理学療法士などによる支援に取り組んでいます。また、未熟児教室を開催し、子どもの発達援助と親同士の交流を行っています。

質問:森みどり

平成15年2月から3月に、超低出生体重児に関わる調査が実施されています。そのデータからも、超低出生体重児の母親は、重い疾患もなく比較的順調に発育・発達している児においても、年齢を経ても視力や体重の増加、伸長の伸び、風邪をひきやすいなどの心配を常に感じながら育児をしていること、その割合は一般の母親を対象とした調査よりも高いことが示されていました。また、厚生労働省の報告書によると、養育環境や養育者の状況等とともに、未熟児が児童虐待事例の支援必要事例として挙げられています。未熟児だからすべて虐待のハイリスク家庭と決めつける必要はありませんが、「うまく育たないかもしれないという不安で、虐待をしてしまうのではないか」という超低出生体重児の母親からの声も聞いています。出生直後から母親の思いに添った支援が必要だと、先ほどの調査の考察にもありましたが、早い段階からの保健師による支援は欠かせないと考えますが、いかがお考えですか。

答弁:地域保健福祉室疾病対策課(松下彰宏課長)

現状では、新生児診療相互援助システムに参加している医療機関から子どもが退院する際に保健所に送られる連絡票や出生届による出生票、未熟児養育医療の申請等に基づき、保健師が家庭訪問するシステムとなっております。
超低出生体重児を養育する家庭において虐待発生のおそれがあると判断することは、先生お示しのようにできませんが、しかしながら、虐待の防止あるいは良好な母子関係を築くという観点から、保健所、保健師による早期からの支援を行うことは非常に重要であると考えております。

質問:森みどり

超低出生体重児に対しては専門性のある医療機関での医療ケアが必要であり、母親をはじめ家族に対しては地域における時機を得た心理的、社会的ケアが必要だということでは、認識が共有できたと思います。あとはいかに実践に移していくかです。家族からは「もっと早くに訪問して相談に乗ってほしかった。早産を周囲から非難され誰にも相談できずに悩んだ、保健師に話を聞いてもらい気持ちが救われた」などの声も聞いています。地域と専門病院が必ずしも近いとは限りませんが、保健と医療との連携をしっかりしていただき、できるだけ早い段階からの支援が行える体制をぜひとも整備していただきたいと思いますが、そのような保健師の対応はできませんか。その際、保健師には、超低出生体重児の発育・発達に関する専門的知識が求められることはもとより、揺れ動く気持ちを抱えながら育てている親の思いに寄り添った関わりも求められるという、保健師による支援の質的向上も目指さなければなりません。合わせてお答えください。

答弁:地域保健福祉室疾病対策課(松下彰宏課長)

超低出生体重児の保護者が不安を最も強く感じているのは、子どもの退院直後であり、この時期の保健師の家庭訪問は家庭の大きな支えになっていることが、アンケート調査などでも明らかになっています。
ただし、この時期に十分な支援を行うためには、委員が御指摘のように、子どもの入院期間中から保健師が母親との面接の機会を持ち、より早期から親の支援を進める必要があると考えております。そのため、早期に情報を把握する必要がありますので、まず新生児診療相互援助システムに参加している病院と保健所との間で、超低出生体重児についての連絡の時期、方法について検討し、早期からの支援を行ってまいります。
また、母親の気持ちに配慮した支援の充実に取り組むため、保健師などへの研修の充実に努めてまいります。

2、親子交流事業「つどいのひろば」について

質問:森みどり

次につどいの広場事業について質問します。少子化や核家族化、都市化の進行などにより、子育て家庭が抱える負担感や悩みが増大し、家庭だけで子育てをすることが難しくなっているといわれ、在宅の子育て支援が求められています。これまでに虐待事件となった事例にしましても、家族が地域から孤立していたことが、親を追い詰め、結果として子どもに被害が及ぶといったケースが少なくありません。そのような状況下、府では「地域子育て支援センター事業」や「つどいの広場事業」などに取り組んでいますが、とりわけ「つどいの広場事業」は、府の要綱を改定し、1市町村1箇所、1年度限りの補助といった制限を撤廃したことによって事業を推進しやすくなったことについては、評価しています。また、運営についても、NPO法人や子育てサークル等に委託することも可能であり、民間活力を活かした柔軟な運営ができる点も意義あることだと思っています。そこで、今年度の事業の取組状況、実施主体、実施場所についてお伺いします。

答弁:児童家庭室家庭支援課(水本行彦課長)

今年度についての実施状況でございますが、五市町六カ所で実施していただいております。この事業の実施主体は、市町村でございますが、運営につきましては、社会福祉法人やNPO法人、子育てサークル等に委託することが可能となっておりまして、今年度の運営主体の状況は、市町村の直営で行っているところが二カ所、社会福祉法人が一カ所、NPO、子育てサークルでやっていただいているところが三カ所でございます。設置場所につきましては、廃園した幼稚園など公共的スペースの活用をしていただいているところが四カ所、民間施設の借り上げが二カ所となっている状況でございます。

質問:森みどり

今年の3月、開始前に質問しましたときには、積極的に推進するという意気込みを伺ったように思いましたが、それにしてはあまりいいスタートだとはいえませんが、今年度は事業が開始したばかりということなのかもしれません。それでは来年度の状況はどうなっていますか。

答弁:児童家庭室家庭支援課(水本行彦課長)

委員お示しのとおり、まだスタート時点でございます。各市町村におきましても、来年度の予算編成が始まるところでございまして、確たることはまだ申し上げられませんが、現時点での聞き取り調査の状況を申し上げますと、十五の市町村、それから三十カ所近くの実施希望を聞いているところでございますので、各市町村からのヒアリングを行い、助言指導を行うなど促進に努めていきたいと思っております。
また、実施運営主体の状況でございますが、来年度の状況では、約二割が市町村の直営、NPOや子育てサークルが五割、その他が三割の状況と伺っております。

質問:森みどり

来年度には箇所数もだいぶ増加するようですが、それでもとても十分とはいえませんね。「つどいの広場事業」については中学校区に1箇所を目標とすると謳われているように、地域の身近なところで行われるところに意義があるものです。未だ、1箇所の設置予定もないという市町村があることも大変残念です。先般委員会で視察をしました東京の武蔵野市では、すでに何年も前から市の単独事業としてすでに「ひろば事業」を進めておられる大変先進的なとりくみをされておりましたが、民間やNPOでもすでにこのような広場の必要性、すなわち親子が安心してかつ気軽に立ち寄れる場であり、親も子もほっとできると同時に、仲間づくりもできる、時には悩みを相談したり情報も得ることができるという場の必要性を感じ、利用料を徴収するなど、さまざまな工夫や努力をして立ち上げておられるところもたくさんあります。そして今年度あらたに開設されたところにも、直接お話を伺いましたが、スタッフの皆さんが異口同音に言われたのが、「こんなに利用者のニーズがあるとは、想像以上だった」ということです。若い子育て世代が核家族であるというだけでなく、転勤などであちこち短期間で転居されている方も多く、地域で友達ができるまで孤独感が強いということでした。近所に同年齢の子どもがいなかったり、いてもすぐに溶け込めなかったり、そういう方たちが、気軽に来れて、情報が得られる場というのが本当に求められていると感じました。厚生労働省も、このような先行した取り組みに必要性を理解し、補助事業を拡大したわけですから、市町村がこの事業の意義を理解して、積極的に取り組まれるよう、府の働きかけももっと工夫をして強めるべきと思いますが、いかがですか。

答弁:児童家庭室家庭支援課(水本行彦課長)

先般、次世代育成支援対策推進法に基づく府の行動計画素案を作成し、事業の取り組み方向をお示ししたところでございますが、その中においても、つどいの広場事業を在宅子育て家庭支援の一つの柱として盛り込んだところでございます。
現在、市町村においても計画の検討がなされるところでありますが、府としては、市町村ヒアリングを実施するなどさまざまな機会を活用して、つどいの広場事業の計画への位置づけや事業実施の働きかけを行うなど、助言指導に努めているところでございます。
また、このつどいの広場事業を初め十四の子育て支援等の事業については、計画の中に数値目標を示すこととされているところから、府としては、計画素案の取り組み方向や市町村の数値目標の検討状況を踏まえまして、来年一月に取りまとめる計画案において、その数値目標をお示しするとともに、今後とも市町村と連携して事業の着実な推進を図ってまいりたいと考えております。

要望

この課題の最後にいくつか要望しておきます。次世代育成計画の策定を契機として、「つどいの広場事業」がさらに広がっていくよう、市町村への働きかけを今後も進めてほしいと思います。「つどいの広場事業」というのは、先ほど申しましたように、子育て中の親と子が気軽に来れて、ほっとしながら仲間をつくり、虐待にいたる要素を無意識に取り除いていくという予防的な役割としても大きいものがありますが、それのみにとどまらず、NPOや子育てサークルといった支援する側のネットワーク作りにも意義あるものと考えています。したがって運営主体としてはできるだけNPOや子育てサークルの方が、この事業の主旨にふさわしいと考えます。そうした観点から、この補助制度や運用をみると、大変不親切です。NPOや子育てサークルは財政基盤が弱く運用資金がないところがほとんどです。清算払いの補助金では事業をしたくてもできないわけです。せっかくのいい主旨も実現できないような制度では意味がありません。柔軟に対応できるよう検討を要望します。また「つどいの広場」は誰もが気軽に来れる場所であってこそ、有効に働くわけですが、それは国が考えるような公的施設だけでは、充足されません。民間施設の借り上げ経費も国庫補助の対象とするよう、強く要望していただきたいのです。場合によっては、財政状況は極めて厳しいということは承知していますが、年限を切るなどして、府単独で事業促進のための呼び水を作るということも考えていただけないでしょうか。強く要望します。

3.子ども家庭サポーターの活用について

質問:森みどり

次に、虐待の未然防止という観点から、つどいの広場に続きましてもう一点、子ども家庭サポーターの活用について取り上げたいと思います。身近に援助する者や相談相手がいないことから、子育てに困難を抱いている家庭等をサポートする仕組みを幾重にも張りめぐらしていくことが重要であると思います。大阪府では、府の独自事業として、身近な地域で気軽に子育て相談を受けるなど、虐待の未然防止や早期発見につながるボランティアとして、子ども家庭サポーターを養成されていますが、地域の幅広い子育て支援として意義あることだと考えています。まず、子ども家庭サポーターの現在の登録の状況をお伺いいたします。また、一千名の養成を目標にしているということですが、地域に偏りはありませんか。すべての市町村で多くのサポーターが登録し、活用されることが必要だと思いますが、この点に関してはどのように取り組んでいるのでしょうか、お伺いいたします。

児童家庭室家庭支援課長(水本行彦君)

子ども家庭サポーターの養成でございますが、平成十三年度から事業を実施しておりまして、お示しのとおり十八年度まで一千名の養成を目指しております。
登録者数でございますが、平成十三年度百十名、十四年度が二百三十四名、十五年度が百九十二名、本年度が第一期の講習修了者が百六名で、合計六百四十二名の修了者を登録していただいております。十月からは後期、第二期の講習を実施しており、受講者は百十四名の状況でございます。
これらの登録者を地域別に見てみますと、お示しのように、府の北部に比べ、泉南地域など南部では比較的少ないという現状もございます。そのため、本年度の後期講習につきましては高石市で開催するなど、少ない地域の府民の方々にも講習を受講していただきやすいように配慮したところでございます。
サポーターはボランティアでございますので、個人の意思で応募していただくため、市町村によって格差が出てしまうことは否めないんでございますが、今後、登録者数の少ない市町村に対しまして積極的な広報をお願いするなど、すべての市町村でより多くのサポーターが登録していただけるよう努めてまいりたいと考えております。

質問:森みどり

子ども家庭サポーターが市町村に偏りなく講習を受けられ、登録されるよう、今後も引き続き工夫しながら進めていただきたいと思います。そして、これらのサポーターが地域において子育て中の親子を支援するため、さまざまな活動に参画していただくことが重要です。そこで、市町村におけるサポーターの活動状況はどのようになっているのか、伺います。中でも、私が注目したいのは、本年度国において創設されました育児支援家庭訪問事業です。この事業では、つどいの広場などにも出てこれない引きこもりがちな要支援家庭に対し、家事援助や子育て相談などの支援をするもので、虐待の未然防止の観点からも活用すべき施策だと考えます。援助者としては、保育士や保健師といった専門的な資格を持った者だけではなく、広く子育て経験者も活用できるとなっています。私の地元茨木市では、支援を必要とする家庭を訪問し、育児相談などさまざまな支援を行う事業を本年度から実施しており、この事業で子ども家庭サポーターの活用を図るなど、積極的な取り組みをされております。このような事業を府内全域で推進していただきたいんですが、府としての取り組み状況をお尋ねいたします。

児童家庭室家庭支援課長(水本行彦君)

子ども家庭サポーターの活用状況でございますが、養成講座を修了された方を登録いたしまして、その名簿をまずそれぞれの市町村へ送付いたしますとともに、子育て支援事業などでの活用を図っていただくよう市町村に働きかけを行っているところでございます。現在、二十の市町村で活動されており、保育所の園庭開放などの子育て支援事業や、虐待傾向があり、子どもに当たってしまう親を集めて行うグループケアへの支援事業などのスタッフとして活動していただくなど、年々その活動内容や活動回数が拡大している状況にございます。また、子ども家庭サポーターが自主的に活動されているところもございます。市町村単位や近隣市町村合同でなどさまざまな形で集まって情報交換を行っていただいたり、有志でボランティア団体として登録を行い、活動していただいているところも出てきております。こうした自発的な活動の発端として、市町村が子ども家庭サポーターに声をかけ、集まる機会をつくるなどの取り組みも行われているところや、市町村の会議室を提供して支援しているところもございます。また、委員お示しの育児支援家庭訪問事業についてでございますが、今年度創設されたところであり、取り組んでいる市町村は、現時点ではまだ多くはございませんが、子育てに困難を抱える家庭を支援し、虐待に至らない未然防止をする事業として、また子ども家庭サポーターの活動機会も拡充できることから、大変重要な事業であると考えております。より多くの市町村で取り組んでいただくため、今月中には、この事業について市町村を対象とした説明会も実施したいと考えております。育児支援家庭訪問事業を始めまして、子ども家庭サポーターの活動機会の提供につきましては、今後とも市町村に対し情報提供をすることなど、積極的に働きかけてまいりたいと考えております。

質問:森みどり

子ども家庭サポーター養成講座は、とても質の高い内容ですし、過密なスケジュールですが、大変熱心に学ばれていると聞いております。地域の貴重な人的資源として、大いにその力を発揮していただきたいと思います。そのための仕組みを考えるのが、行政の役目だと考えます。育児支援家庭訪問事業においても、さらにサポーターの活用を進めていくよう取り組んでいただきたいと思います。子ども家庭サポーターは、さらにもう一歩踏み込んで、児童虐待防止早期発見においても活動していただけるのではないかと思っております。相談を受けたり、通告を受けて対応していく専門機関だけではなく、日常的なつながりの中で虐待や虐待のおそれのある家庭を発見することは、虐待防止にとって欠かせないことだと考えますが、このような活用策についてお考えを伺います。

答弁:児童家庭室家庭支援課長(水本行彦君)

大阪府では、以前から福祉、保健、教育等の関係機関で構成される児童虐待防止のためのネットワークを構築するよう市町村に働きかけており、現在すべての市町村でネットワークが設置され、虐待の早期発見に寄与していただいております。しかし、公的機関の協力だけでは、なかなか集まらない情報があるのも事実でございまして、ボランティアと民間の方からの情報が欠かせないところでございますが、一方で、非常にセンシティブな児童虐待に絡む個人情報を行政以外の者とどのように共有していくべきかという点に苦慮していたところでございます。現在、国において継続審議となっております児童福祉法の一部を改正する法律案におきまして、児童虐待防止のためのネットワークを市町村に設置することができると規定されるとともに、その協議会の構成員に守秘義務を課すこととなっており、サポーターなどボランティアの方々のネットワークへの参加が容易になるものと期待されているところでございます。今後、改正法の動向も踏まえながら、サポーターとボランティアのネットワークへの参画を働きかけてまいりたいと考えております。

質問:森みどり

子ども家庭サポーターが地域の中で幅広く活躍していただけるというのは、大変ありがたいことです。サポーターとなっていただく際には、先ほども触れましたが、約五十八時間に及ぶ講習を受講され一定の知識は持たれるわけですが、継続的に支援活動にかかわっていくとなると、子育て家庭が抱えるさまざまな問題に直面するでしょうし、適切に対応していただくためにも、継続した研修は欠かせないと考えますが、この点についてはどのように取り組んでいかれるのでしょうか。

答弁:児童家庭室家庭支援課長(水本行彦君)

子ども家庭サポーターとして登録していただいた方には、その翌年にフォローアップ研修を実施しまして、サポーターの活動を支援しているところでございます。四回、十二時間を行っております。研修の内容といたしましては、さまざまな活動を行っているサポーターや行政担当者などから実践の中からわかる活動についての課題などをシンポジウム形式で検討いたしましたり、専門家から援助技術に関しての講義形式、さらには参加型形式での研修を行ったところでございます。今後とも、サポーターのフォローアップのための有効な支援策について、市町村の御意見も伺いながら工夫、検討してまいりたいと考えております。今後もサポーターのフォローアップに有効な支援策を工夫、検討するということですが、現在行われているフォローアップ研修は、今年度で終了すると聞いております。毎年二百名が登録され、現在既に六百四十二名が活動されているということですが、そのような状況の中で、前年度の修了者のみを対象とした研修を行うだけでは不十分ではないでしょうか。今後、研修に当たっては、修了者全員を対象にして実施することや、活動の中で抱える悩みや壁にぶつかったときの対応など、さまざまな観点から資質向上を図ることが重要だと考えます。しかも、現在実施しているフォローアップ研修については、わずか五十万円で行われていると知って、本当にびっくりしました。地域の子育て支援にとって大変有意義な役割を担っていながら、かける費用は余りにも少な過ぎると思います。せっかく養成したサポーターが有効に機能するよう、もう少し規模を広げて支援するなど、費用も含めて支援方策について検討していただくよう、最後に要望しておきます。もう一つ、全体にわたってですけれども、冒頭紹介しました映画のような激しいネグレクトや直接の暴力で命を落とす子どもが後を絶たない現実に直面し、今この社会に生きる大人として、子どもの命を守り抜くことが何をおいてもやらなくてはならない課題だと思っております。そんな中、国も虐待を防ぐため、今年度の予算を大幅にふやし、新たな事業を打ち出してきております。本日取り上げました施策もその一部です。しかし、これらの施策は、積極的に実施するかしないかで自治体間に差が出てしまう。また、予算も使われずに残ってしまいます。また、次々に新たな施策が出されることで内容がよくつかめず、実施しにくい面もあるようです。それぞれ意義のある施策がばらばらにではなく、有機的につながるように、例えば虐待防止のために子育て支援や保健活動、子ども家庭センターや保育所、幼稚園、学校の対応などの取り組みが切れ目なく、一体的に行われるようしっかりとコーディネートする役割を府が担っていただきたいと思うのです。もちろん、上からの押しつけというのではなく、市町村との協議を十分に行い、ともに考え、よりよい活用法を提供していく、いい意味での指導性を発揮していただきますようにもう一度要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。