森みどりの府議会レポートNo.12

2005年2月定例会〜
本会議一般質問
【1】子育ち・子育て支援
1.子どもの居場所づくり
一昨年9月議会ではじめて一般質問をさせていただいたときには、ちょうど長崎で中学生が幼い子どもを連れ出し殺害するという痛ましい事件の直後でした。子どもがこれ以上、被害者にも加害者にもならないようにとの願いをこめて、思春期の子どもの居場所づくりや、社会的ひきこもりについて早急な対応策をと、質問いたしました。しかし事態はさらに悪化をし、佐世保市では学校の中で6年生の少女による同級生の殺害や、寝屋川市での17才少年による教職員殺傷事件と、あまりに痛ましくショッキングな事件が後をたちません。学校や地域で子どもの安全を守るという対応策と同時に、今の子どもたちの現状をしっかりと見据えて、子どもたちの育ちを保障するという観点から、じっくりと腰をすえた施策が必要ではないでしょうか。私は、今の子どもたちに決定的に欠けているのが体を十分に使った「あそび」ではないかと思います。生れ落ちた瞬間から「衣食住」の保障と、大人がしっかりと抱きしめ安心を与えることが必要ですが、自我が出てくる頃からは、基本的な生活習慣を身に付けることと、年齢に応じた主体的な「あそび」が人間の成長には欠かせないものだと考えます。ところが今の子どもたちの大半は塾やお稽古事に時間を奪われ、わずかな遊びの時間も、家でひとり、ゲームに没頭するという子どもが増えています。ゲームソフトによっては非常に暴力的なものもあり、パソコン・チャットでやりとりする子どもたちの言葉には、ときに驚くような罵詈雑言が並んでいます。本来子どもたちは好奇心の塊であり、遊びの天才です。ことに学童期には、体を使って遊ぶことや、群れて遊ぶことを通して身体能力を高めていくと同時に、さまざまな人とかかわることで社会性を身につけ、心豊かでたくましい人間に成長していきます。時にけんかをし、自分の本音を思いっきり相手にぶつけるのも大事なことなのです。怪我をして痛みを知ることも大事な経験です。言い換えれば「あそび」は人間として成長していくための土壌を耕すことだと思うのです。そういう土壌があってこそ、学習意欲も芽生えてくるのです。子どもたちが、体も心も全開にして、遊べる場や、時間を取り戻すことが、大人の責任であると私は考えます。現在教育委員会がとりくんでいる「すこやかネット」の活動につづき、平成16年度から国事業の「地域子ども教室推進事業」が展開されています。放課後や週末に、すべての小学生を対象に、子どもの活動の場づくりを支援するため、小学校などを使って、地域の大人の方々に多大なご協力をいただいて、スポーツ・文化活動などのさまざまな体験活動や地域住民との交流活動が行われています。これらの活動を通して、子どもたち自身が「次はこんな活動をしてみたい」という意欲や興味を示すようになったり、地域の子どもと大人の間に「顔と名前の一致する人間関係」ができ、子どもから積極的に地域の人たちに挨拶するようになるなど地域コミュニケーションづくりに役立っていると聞いています。そこで教育長にお伺いします。子どもは自分の責任で、自由に遊ぶ時間と空間が保障されてこそ、友達とおもいきりぶつかり合いながら自分を成長させていきます。大人の敷いたレールの上でのお仕着せの活動や、子どもをお客さん扱いするような活動ではなく、子どもが主体的に活動できる機会や場を、さらに拡充していくことが重要と考えますが、いかがお考えですか。また、そのためには、活動にかかわる地域の大人に対して、子どもの主体性を尊重しつつ、必要に応じて子どもの相談に乗ったり手助けしたりして、活動を活性化させる知識やスキルを身につけるための支援が必要だと考えますが、いかがですか。
<教育長>
「子どもの居場所づくり」についてですが、子どもにとってさまざまな体験や交流活動は、ルールを守る心や役割を果たす責任感、人間関係をつくる力などを培っていくうえで、極めて重要であると認識しております。このため、府教育委員会では、すべての中学校区に設置した「すこやかネット」の活動支援にあたり、子供が参画する取組みを奨励するとともに、活動をコーディネートする地域人材の発掘、養成に努めてきたところです。また、国の「地域子ども教室推進事業」の活用を市町村に働きかけたところ、今年度、37市町村249箇所で「子どもの居場所」づくりに取り組んでいただいているところです。これらの取組みの中には、ご指摘のように、これらの取組みの中には、ご指摘のように、大人が活動のすべてを企画・運営している取組みも見受けられますが、一方で、小学生が校区のフェスティバルに企画段階から参画したり、「子どもの居場所」として解放された小学校で、ドッジボールやトランプ遊びなど自分たちで活動内容を決める取組みも広がりつつあります。府教育委員会といたしましては、今後とも、国事業を活用して、すべての市町村において「子どもの居場所」づくりに取り組んでいただくなど、子どもの活動の機会や場の拡大をすすめてまいります。さらに、地域における子どもの主体的な活動がより一層充実するよう、活動の推進役となる地域の方々に、必要な知識やスキルを学習する機会の提供に取り組んでまいります。
2.府営公園等の活用
また地域子ども教室は、学校の校庭や教室以外にも地域の公民館や児童館などを使ってさまざまなスタイルで展開していると聞いています。さらに公園やはらっぱに飛び出し、プレーパーク(いわゆる冒険遊び場)の要素も盛りこんでいけると思います。そこで、府が率先してプレーパークの活動を府内一円に広げるきっかけとなるよう、府営公園の場を活用して、プレーパークの活動を行っているボランティアの方々と連携し、冒険遊び場の仕組みづくりに取り組んでいただけるよう要望しておきます。
3.暴力的ゲームソフトの規制
子どもが加害者となる事件の発生について、もうひとつ考えなければならない課題があります。それは子どもをとりまく日常の中にあまりにも暴力的シーンがあふれているということです。幼児の頃から目にするテレビアニメは、過激な暴力シーンが増えてきていると感じますし、小学生ぐらいから熱中し始めるテレビゲームは、暴力的に相手をやっつける場面が繰り返し繰り返し出てきます。そしてリセットボタンさえ押せば、殺した人や動物も簡単に生き返ります。子どもたちがこうした暴力的ゲームに没頭することを、直接犯罪の原因に結びつけることはできないにしても、子どもたちがゲームという仮想空間の中で犯罪的行為を疑似体験し、それを現実の世界と混同して、佐世保市や寝屋川市のような事件につながるという可能性を否定できないと思います。子どもたちが二度とこのような事件の加害者になることなく、健やかに育ってくれることを願うならば、暴力的な描写を含むゲームソフトなどを制作、販売する事業者が、社会的責務として十分な配慮をすべきですし、大阪府としても強く指導していくべきだと考えますが、府としては、どのような対応が必要であるとお考えですか。とはいうものの、子どもたちの生活は今後ますます、テレビやパソコン、携帯電話など、メディアとのかかわりが深くなってくるでしょうし、この流れはますます速くなってくると思います。あふれるような情報と接する機会が多くなる中で、子どもたち自身が情報を読み解く力、また情報機器を道具として位置づけて使える力を身につけることも、自らを守るうえで必要になってきています。それに対する取り組みも必要だと考えますが、あわせて生活文化部長にお尋ねします。
<生活文化部長>
青少年健全育成条例では、ゲームソフトにつきましても、「青少年の粗暴性又は残虐性を著しく助長するもの」は、「有害図書類」として指定することができ、これに該当するものは青少年への販売や貸付等が禁止されているところです。府としては、時代の急速な変化に対応した青少年健全育成条例の改正について、大阪府青少年問題協議会に諮問しているところですが、その中で暴力的なゲームソフトを含め、残虐な表現のある図書類に対する規制の強化についても十分にご審議をいただきたいと考えており、それを踏まえ、9月議会を目途に条例の改正案を上程すべく努力してまいりたいと考えております。また、ゲームソフトの制作事業者においては、「特定非営利活動法人コンピューターエンターテインメントレーティング機構」を組織され、ゲームの表現内容により対象年齢を区分して商品に表示するといった取組みも始まっておりますが、本府といたしましては、対象年齢区分の表示に加えて、青少年への販売等の制限を明示するなど、より実効性のある取組みを促してまいりたいと考えております。また、これらとあわせて青少年が、情報の価値や真偽、などを十分に見極める力、いわゆるメディアリテラシーを身につけることが必要であり、今年度、「楽しみながら学べ」、「さまざまな場で活用できる」教材を開発しているところです。今後は、この教材を広く活用いただけるよう府内全ての小・中学校・図書館等に配布するとともに、リーフレットの配布やホームページを通じた広報啓発を行なうなど、青少年のメディアリテラシー向上のための取組みを積極的に進めてまいります。
4.児童養護施設への適切な対応
さまざまな理由により家族と離れて子どもたちが生活している、児童養護施設においては、近年、虐待を受けた子どもの入所が増加しています。虐待を受けた子どもに他者との関係性回復や愛着障害へのケアを十分行うためには、できる限り家庭的な環境の中で、職員との個別的関係も重視した、きめ細やかなケアが必要だといわれています。しかしながら、大阪府内にある、児童養護施設の状況をみると、大規模な施設が多く、子どもたちの居室は、4人部屋か6人部屋が一般的で、個室が確保されている施設がたいへん少ないです。今年度、施設内で小規模なグループを作って生活する「小規模グループケア」の制度が創設され、昨年12月に国が策定した「子ども・子育て応援プラン」においてその推進が位置づけられたところですが、これを実施している施設は26施設中7施設にとどまっています。これは子どもの最善の利益を図る観点からも、他の社会福祉施設と比較しても立ち遅れているのではないでしょうか。もちろん児童養護施設の運営法人も、子どもたちのために住空間を整備したいと考え努力してこられたのでしょうが、少しでも余裕があれば、まず、衣服や食べ物の充実で子どもたちに安心感を与え、そして何より人間関係を安定させるためには、できるだけ1対1で子どもにかかわれるよう、配置基準以上の職員を雇う、といったソフト面の取り組みを、優先せざるを得なかった、と思われます。いくつかの児童養護施設を見学させていただいたときも、職員の方々の熱意とご苦労には頭の下がる思いでした。しかし子どもたちの家代わりである、施設の小規模化も急がなければなりません。建物の老朽化だけではなく、入所児童の権利擁護の観点からも、機能の充実を図る必要があると考えますが、府は、要保護児童の自立に大きな役割を担っている、児童養護施設の整備について、どのように考え、どのような方針をもっているのですか。また施設では、被虐待児など、処遇面で困難をきたす子どもたちが増加し、そのために指導員や保育士を基準以上に配置し、子どもたちのケアに日々努めておられます。が、それでもぎりぎりの状態だと聞いています。ハード整備の問題とともに、子どもたちのケアが十分できるよう、職員の配置基準の抜本的な改善を、国に強く求めるとともに、国の基準改正を待つのではなく、府としての支援を行うべきと考えますが、あわせて健康福祉部長にお伺いします。
<健康福祉部>
児童養護施設についてお答えいたします。児童養護施設は、入所している個々の子どものニーズにきめ細やかに応え、その自立を支援することにを通じ、虐待を受けた子どもなどの人権擁護に大きな役割を果たしていると考えております。お尋ねの施設整備につきましては、老朽化・狭隘化対策を計画に進めることはもとより、小規模ケアについても「次世代育成支援行動計画(案)」において示した実施目標が達成できるよう努めてまいります。又、子どもへのケアの充実に関しましては、これまで国へ要望してきた結果、被虐待児などに個別に対応する職員や、家庭支援を行う相談員の配置に対する助成制度が拡充されるなど、職員体制が一定強化されてきたところであります。本庁といたしましては、更なる施設ケアの充実を図るため、こうした新たな制度の積極的な活用を施設に働きかけてまいりますとともに、引き続き、国に対し、職員配置基準の改善を強く要望いたします。又、来年度から府独自の制度として、入所している子どもの課題に応じてより専門的な対応ができるよう、職員を加配する事業をスタートさせ、子どもへのケアの一層の充実を図ってまいります。
5.仕事と家庭の両立
次に少子化の問題です。子どもは社会の宝です。将来にわたって活力ある大阪を築いていくためには、知事がいつも言われるように「子育て日本一の大阪」にして、誰もが安心して子どもを生み育てられると実感してもらわなければなりません。現在、府において次世代育成支援計画が策定されています。計画では乳幼児期から青年期にいたる各成長段階に応じた取り組みや児童虐待への対応、援護を要する子ども・保護者への支援など、幅広い側面からの取り組みが盛り込まれています。ぜひ、こうした内容について、進行管理を適切に行い、着実に推進していただきたいと思います。その中に、柱の一つとしてあげられている職業生活と家庭生活の両立は、子育てに対する負担や、不安を軽減していく上で、大変重要な課題であると考えます。乳幼児期に、親が子どもと接する時間をできるだけつくること、母親との1対1の関係ではなく、父親も含めた複数の人が子育てに向き合うことが大切であると考えます。国においては、育児休業など制度面での充実を図っているものの、実際には、女性の育児休業取得率が6割、男性は1%未満にとどまっています。一般に、育児休業を取得することや、長時間労働をやめる、ということが、企業の成長にとってマイナスであるように思われがちです。しかし、私はそうは思いません。さまざまな工夫により、両立支援のとりくみを推進することで、就業者の活力を高めている先進的な企業も数多くあります。また、このような動きは、中小企業においてもみられ、先般開催された「次世代育成シンポジウム」でもITの活用などにより、仕事と子育ての両立支援に向けた取り組みを、積極的に推進している企業が紹介されたと聞いています。大阪府としては、さまざまな工夫を行い、両立支援の取り組みを推進している企業の情報を発信するなど、企業の取り組みを後押しする必要があると思いますが、知事のお考えを伺います。また、大阪府としても事業主としての立場から、企業の模範となるよう、職員の仕事と子育ての両立支援を積極的に進めていくことが必要です。これまでも大阪府ではさまざまな取り組み、意識啓発をされていることは承知しています。実際に少ないながらも育児休業を取得した男性職員が「夫婦でともに一体感をもって子育てでき、自分にとって非常にプラスであった」「育児を通じて社会に対する視野が広がった」といった肯定的な意見がある一方、子育てに対する職場での理解の不足や人的支援の問題などから、男性の育児休業取得は依然として少ないなど、子育てへの支援体制は充分とはいえません。職員を対象とした「大阪府特定事業主行動計画」も現在策定中とのことですが、このような状況を踏まえ、男性の育児休業の取得奨励をはじめとした、子育てしやすい職場環境作りに、大阪府としてどのように取り組んでいくのか総務部長にお伺いします。
<知事>
次に、仕事と家庭の両立についてお答えいたします。子育てに対する負担の軽減と子どものすこやかな成長を促すためには、職場における子育て環境の整備を図るなど、男性も含めた働き方の見直しをすすめることが必要であります。また、こうしたことが、就業者の活力を生み、企業の成長にもつながっていくことと認識しております。大阪府では、「男女いきいき・元気宣言」制度を活用して、事業者の仕事と家庭の両立などの取り組みを支援しているところであり、来年度から、こうした事業者と協働して、大阪の企業における取り組み事例等をデーターベース化し、企業の様々な知恵や工夫を広く発信するなど、両立支援に向けた取り組みを効果的に促進してまいります。今後、関係機関と連携しながら、企業における行動計画の策定を促し、社会全体で次世代を育成する環境の醸成に努めてまいります。
<総務部長>
本府職員に対する子育てしやすい職場環境づくりにつきましては、男女の固定的な役割分担意識の解消や、男女がともに子育てに携わることのできる職場風土の醸成が必要であると考えております。本庁としては、これまでも、平成13年に、「男性の育児休業収得促進に関する指針」を策定し、男性の育児休業の収得促進に努めて着ました。その結果、取得者数は、やや増加したものの、現状においては、少数にとどまっております。こうしか事から、現在、策定中の特定事業主行動計画では、子どもが生まれる祭、育児休業や休暇を連続5日間以上取得する男性職員の割合を、80%にするよう目標を掲げ、組織をあげて、積極的に取り組んでまいります。また、男女がともに子育てに携わることが、当然であるという職場の意識改革や、育児休業中でも電子メールで仕事の情報が得られるような仕組みづくりなど、具体的な支援策を来年度から実施することとしております。合わせて、育児休業中の代替要員の措置などについても、幅広く検討することとしております。これらによって、男女がともに子育てしやすい職場環境づくりを積極的に推進してまいります。
【2】府有建築物の福祉の街づくり条例への適合状況
大阪府が全国に先駆け、福祉のまちづくり条例を制定して、すでに13年近くが経過しました。市町村でも要綱等が整えられ、最近では福祉仕様のエレベーターや、車いす常用者専用のトイレ、さらには廊下や歩道などの段差解消の跡など、随所で見受けられるようになり、バリアフリーに対する府民の意識・関心も急速に高まっています。特に建築物の新設に関しては公共であれ民間であれ、条例に定められた整備基準等について、一段と理解が深まり、協力も得やすくなっていると聞きます。一昨年に福祉のまちづくり条例が改正されて、整備基準もより高いレベルのものに追加、変更されましたが、新たな施設に関する限り、条例改正の効果が、遺憾なく発揮されているようです。問題は既存の施設の整備・改善です。初めて府庁の玄関を入ったときには、重厚な門構えや、大理石の階段に歴史の重みを感じましたが、さて、車椅子の方はどうするのか、あかちゃんをバギーに乗せてきた人や、足の不自由な方は、と心配になりました。調べてみますと、本館については1箇所のみ車椅子で通行できる通用門が用意され、後はそこから目的地まで、ぐるりと回っていかねばなりません。さらに、その順路、トイレや授乳室の場所など、わかりやすい表示もほとんどないのが実情です。既存の施設の整備改善が、構造的な制約から容易でないことは十分承知していますし、また条例上は、当分の間、新基準が適用されないこともわかっています。しかし、現実に身の回りにある施設の大半は既存の施設であり、多くの方が利用されています。だからこそ学校も駅も府営住宅もさまざまな工夫をしながらエレベーターなどの設置を進めているわけですし、その整備改善は、まちのバリアフリー化を進めていく上で大変重要だと考えます。府自らが管理する施設は、民間への率先垂範の意味からも、新基準を念頭において整備改善に取り組むべきだと考えます。たとえば先ほど例示しました、府庁本館は、条例改正後の基準に照らしてみますと、受付カウンターが、車椅子対応になっていませんし、トイレの出入り口に触知図案内板や、視覚障害者用ブロックも設置されていません。条例をつくり、推進していく立場にある府としては、ずいぶんお粗末な状態ではないでしょうか。そこで本庁舎のような多数の府民が利用する府有施設について、条例改正後の新たな整備基準にどの程度適合しているのか、また、今後既存の府有施設の整備改善をどのように進めていくのか、あわせて建築都市部長の所見をお伺いします。
<建設都市部>
既存の府有施設の整備改善に関するご質問についてお答えします。まず、福祉のまちづくり条例に定められた整備基準への適合状況についてでございますが、一昨年の条例改正の後、府内全部局で組織している「府有建築物福祉整備府内連絡調整会議」において、各部局に対し実態調査の実施を要請しました。その結果を集計したところ、不特定多数の府民が利用する206施設の出入り口、エレベーター、トイレなどの主要な整備項目については、延べ1,328項目のうち、45%が新基準に適合しておりました。次に、今後の進め方についてでありますが、お示しの本庁舎をはじめ多数の府民が利用している施設のうち、既存の施設について、条例上は新基準を適用しないことになっておりますが、福祉のまちづくりを進めるという府の姿勢を示す意味でも、できる限り新基準に適合するよう整備改善に取り組んでいく必要があると考えております。そのため、「府有建築物 福祉整備 府内れんらく調整会議」の場を活用し、先の調査結果もふまえて、既存施設の改善に取り組むとともに、今後、大規模な改修が予定される施設につきましては、新基準に即した改善が着実に図られますよう関係部局と協議し、既存の府有施設のバリアフリー化に努めてまいります。
【3】犯罪被害者支援
昨年12月8日、わが国では画期的な、犯罪被害者等基本法が制定され、今年5月にも施行されることになりました。岡村弁護士という方が妻を殺害され、これまで弁護してきた加害者の人権に対して、被害者の人権があまりにも保障されていないとして、全国的な運動を展開されたことは記憶に新しいことです。すでに、昭和56年から実施されていた、犯罪被害給付制度は、平成13年7月1日の法改正により、給付枠が拡充されて運用されています。大阪府でも平成9年11月に、府警本部を始め、関係27団体による被害者支援会議が発足、府庁内にも、生活文化部、健康福祉部、教育委員会などの体制が作られました。これまでから実施されていた「被害者の手引き」の作成や、警察職員による被害者支援班制度、カウンセリングや性犯罪被害者の専用電話「ウーマンライン」をはじめ、来年度からは新たに被害者が負担していた遺体搬送費を補助するなど様々な取り組みが進められていますが、平成17年度予算で、わずか3378万円という額です。制定された基本法では、国と地方公共団体の責務を定め、政府において基本計画を策定するとしています。誰もが突然犯罪に巻き込まれたり、被害者になる可能性がある中で、保健医療、福祉サービスの提供、居住や仕事の安定、被害者理解等の広報活動、民間団体の支援など、地方自治体の役割も明らかにされています。特に、身体被害者、性的被害者の多くは、職場復帰をはじめ日常生活を取り戻すことすらできないと言われています。警察本部の被害者支援と併せて、府の持つ制度やサービスを、被害者の日常生活の復帰や立ち直りに柔軟に対応させていくことが今後求められています。府は、この基本法施行を目前に控え、警察本部との連携を一層密にし、協力体制を充実するよう強く知事に要望しておきます。
再質問(要望)
- 暴力的ゲームソフトについては、現在の青少年健全育成条例においても「有害図書類」として指定でき、販売や貸付等が禁止できるとのことですが、実際には有効に機能していません。
そこで暴力的ゲームソフトも含め残虐な表現のある図書類に対する規制の強化を含め、条例の改正を検討されるということですので、是非とも実効性あるものとなりますよう、また作る側、売る側、そして購入する保護者に向けても、問題点をしっかり啓発できるような取り組みもあわせて要望しておきます。 - 児童養護施設への府独自の加配についてはもっとも厳しい環境におかれている子どもたちが、自立に向けて前向きに生きられるよう支援していく姿勢として、大きく評価したいと思います。各施設との十分な協議を踏まえ、未来を担う子どもたちへの適切なケアが行われますことを期待しまして、私の質問を終わります。
