TOP > 府議会レポート

森みどりの府議会レポートNo.16


7月25日、来年度(H18年度)予算に反映させる課題について、民主党・無所属ネットワーク議員団で議論を積み上げ、知事への提言としてまとめ、この日要望をしました。

平成17年9月議会および平成18年度予算に向けた府政に関する提言

【1】三位一体改革の推進

住民のニーズにきめ細かく対応し、多様な地域社会を構築していくためには、地方が自らの権限と財源のもとで、施策を選択できるなど地方の自立に結びつく三位一体改革の推進が是非とも必要である。そのため、全国知事会の決定に基づき府民に意義を説明するとともに、地域主権の時代を切り開くため、市町村はもちろん、他府県知事、地方6団体とも連携し、改革の先頭にたって取り組むこと。
    生活保護の地方負担転嫁に反対するとともに、国民健康保険のさらなる地方負担転嫁に反対すること。

【2】未来を志向した行財政改革 

1.行財政計画に基づく施策等の実施

  1. 知事公約について、1年目の達成状況を公表したことは評価するが、取組み途上の施策については早急に実現を図るとともに、引き続き達成状況を定期的に府民へ公表し、評価を受けること。
  2. 再生重点枠については、新規性、波及効果、知事のメッセージ性の高いものに限定すること。
  3. 有識者会議、専門部会の役割を明確にし、各部局の主体性を発揮すること。
  4. ネーミングライツをはじめ、貸付金や出資金など債権等の資産活用について具体化すること。府有財産の処分については、財政の有効活用の観点から、単純に競争入札で売却するのではなく、地元市町村における活用意向などを把握した上で行うこと。
  5. 効果的・効率的な土木事業の推進を図るため、より一層事業の重点化を図るとともに、大阪府土地開発公社が保有している土地を精査し、事業の見通し等が立たず、長期保有が見込まれる土地については、目標時期を定めて処理すること。なお、泉佐野コスモポリスと岬町土砂採取地の活用等について早期に確立すること。
  6. 大阪府出資法人の経営については、情報公開を適切に行うとともに経営責任の所在を明確にすること。りんくうゲートタワービルの会社更生法適用に当たり、府民の負担を極力強いることのないよう取り組むこと。
  7. 堺市に対し、政令指定都市にふさわしいまちづくりに向け、府として支援すること。

2.指定管理者制度の運用と公の施設の改革

  1. 制度の導入にあたっては、府民との共同の観点からNPOや市民団体の参画機会を拡充し、事業目的とノウハウが継承できるよう努めること。
  2. ワッハ上方については、高額賃料の削減、移転を含む抜本的見直しを進めること。

3.府立大学のあり方

府立大学の生命環境科学部大学院については、今後とも「中百舌鳥キャンパス」において学術・研究拠点として充実を図ること。

4.府立5病院の地方独立行政法人化への課題

  1. 病院事業の地方独立行政法人化にあたり、中期目標、中期計画を早急に策定するとともに不良債務比率を改善し、精神医療センターの建替えを行うこと。また、休日・夜間・女性外来など柔軟な患者サービスに取り組むこと。
  2. 災害医療や結核医療、精神医療など、これまで府立の病院が果たしてきた公的医療の側面を十分確保すること。
  3. 大阪府議会健康福祉常任委員会における、「衆議院総務委員会及び参議院総務委員会における地方独立行政法人法案に対する附帯決議の趣旨に沿って関係職員団体、関係労働組合と十分な意思疎通を図り、双方誠実に協議を行うこと。」との附帯決議に留意し、話し合いはもちろん、雇用不安や働く意欲に支障をきたさないよう進めること。

5.ITの活用

  1. わかりやすい授業の展開のために教育用デジタルコンテンツの開発及び活用の方針を作成し、市町村の取組みを支援すること。小中学校普通教室のLAN整備の著しい格差を解消し、学校の情報化推進のための体制を充実すること。
  2. 学校総務サービスセンターの機能を充実、発展させること。市町村教育委員会との事務系ネットワークを確立し、給与・旅費等の事務の改善を図ること。
  3. 携帯電話向けの大阪府ホームページの制作及びその充実を図ること。緊急情報や府民参加、電子申請、少額課金決済などに、携帯電話の積極的な活用を検討すること。
  4. 電子自治体推進協議会を支援し、各市町村が行った古いシステムの改善、オープンソースの開発や電子入札、税務申告、各種納付などのシステム導入等の取組みに対し、技術、人材面でのサポートを行うこと。 

【3】公共事業とまちづくり

1.ダム事業

国土交通省がいわゆる事業の中止・規模の縮小を表明した大戸川ダム、丹生ダム、余野川ダムの治水・利水にかかる大阪府負担分については府の立場を主張し、その負担については国と十分慎重に協議すること。
また、将来の水需要予測に基づき、現在不足している9万トンの水利権の確保について、「府営工水からの転用」、「安威川ダムによる利水」、「紀ノ川大堰による利水」の3つの手法から府民にとって最適な選択を図ること。

2.下水道整備

都市部においては、雨水流出量の増大と近年の局所的集中豪雨等により、浸水被害への懸念が高まってきていることから、河川や農業用水路の改修と併せ、下水道整備を計画的に取り組むとともに、都市周辺部における公共下水道計画の見直しを進めている市町村に対しては、積極的に支援すること。

3.生活排水の適正処理

下水道や合併処理浄化槽等の特性、効果、経済性などを十分検討し、市町村において適切な生活排水処理計画の策定や見直しが早急に図られるよう、市町村と連携し、財政支援を含む十分な支援を行うこと。

4.阪神高速大和川線の整備促進及び阪神高速道路公団民営化への課題

阪神高速道路公団に対しては民営化後も財務状況を明らかにさせ、徹底した自助努力を求めるとともに、都市部の高速道路の整備にあたり、国費の増額等新たな支援策を求めること
また、大和川線のうち府施行の街路事業費の削減を図るため、有料道路事業との合併施行の導入や道路仕様等の見直しも視野に入れ検討すること。

5.第二名神高速道路の整備促進

西日本と東日本を繋ぐ唯一の大動脈である名神高速道路だけでは、将来の交通需要に対応することが困難であると予測されている。また、災害時においても東日本と西日本の物流を確保し、経済や社会生活を支えられる代替的な道路ネットワークの整備が求められている。そのため、第二名神高速道路全線の早期整備を図るとともに、特に抜本的見直し区間となっている大津ジャンクション以西の整備を強く国へ要望すること。

6.住環境の創造と公的住宅のストック活用

  1. 景気対策のため、PFI等民間活用手法を通じて、府営住宅建替え戸数16200戸(10年間)の目標を大幅に引上げ、建替えの前倒しを図ること。特に、知事の任期4年間で公的住宅の1万戸建替えの公約に沿って、行財政計画の改訂を踏まえ、年次的見通しを示すこと。
  2. PFI等民間活用手法を通じて府営住宅を建替えする際には、建替え等のノウハウを持つ中小企業の参入を容易とするよう配慮すること。
  3. 高齢者、障害者等が安全で安心して生活できるよう、府営住宅でのバリアフリー化を計画的に進めること。
  4. 府営住宅の入居募集について、実態上世襲制のような状況を改善し、入居者の年齢層が多様化するよう新婚世帯向けの期限付き入居制度なども検討し、制度の改善を国に働きかけること。

【4】防災・危機管理への取組

1.危機管理体制の強化

多岐にわたる危機事象に対応するため、縦割り行政を排除し、全部局に迅速かつ的確な初動対応の指示が出せるよう我が会派が主張してきた「危機管理監」を設置したことは評価する。
  今後、危機管理監の指示のもと、円滑な情報収集・伝達が行われるなど、特に初動対応に向けた危機管理体制の強化を図ること。また、危機事象発生時の司令塔となる防災情報センターの情報収集・発信機能を強化するとともに、あらゆる災害等へも対応できるよう防災情報センターそのものの危機管理対策も検討すること。

2.大規模災害発生時における広域連携

府が大規模な自然災害にみまわれた際、自衛隊をはじめとした広域応援部隊を円滑に受け入れることができるよう広域避難所にヘリ・サインを表示するなどの「受入計画」を早急に策定すること。
また、防災情報センターを中核として、自衛隊などの防災機関、住民、企業、医療機関、各種ボランティア団体など広範な組織の参加を得て、他府県とも連携しながら実践的な訓練を実施すること。

3.災害に備えた地下情報の調査・提供

阪神・淡路大震災のときの教訓では切り土や盛り土をした宅地造成地で被害が集中的に発生した場所があるとの調査結果が報告されている。そこで地表面に近い地下を調査研究するとともに情報開示に務め、今後の対策に生かすこと。

4.消防隊(団)員の充実

消防隊(団)員については、現隊(団)員の年齢構成を踏まえ、一部の世代に偏ることのないよう市町村を指導すること。
府立消防学校の建替えにあたり、女性消防隊員を対象とした研修機会を拡充するとともに消防隊員に高度な消防教育が行われるよう改善すること。

【5】景気の回復と雇用の確保

1.金融新戦略の積極的な展開

1兆円の資金供給については、公約として具体化を図ること。
大阪府信用保証協会を通じた制度融資の充実はもとより、金融新戦略に基づき、取組みを進めている「無担保無保証人融資」、「成長性等評価融資」等を中小零細企業の実態に応じて積極的な展開を図ること。

2.大阪雇用促進重点施策の実施

本年5月に策定された大阪雇用対策会議「雇用・就労支援プログラム」に基づき、雇用失業情勢が改善傾向にある中で依然として厳しい状況にある就職困難者に対する雇用就労支援策の充実を図ること。特に、ホームレス、障害者、若年者に対しては、次の施策展開を図ること。

  1. 「大阪府ホームレスの自立の支援等に関する実施計画」の策定を受け、自立支援センターと連携しつつ、就職及びその定着率の向上、職業訓練等を図り、自立支援実施策を充実強化すること。なかでも、「大阪ホームレス就業支援センター」における就労機会の確保を図るため、国の関係省庁はもちろん、民間会社に対しても積極的に働きかけながら仕事の開拓に取り組むこと。
  2. 障害者就業・生活支援センターにおいて、平成16年度に中小企業(従業者数55人以下)を中心に272人の就職を確保したステップアップ事業の実績を踏まえ、今後、府内18ヶ所すべてに同センターが設置されるよう国へ強く要望すること。
  3. 景気回復により企業の採用意欲が高まりつつあるなか、若年者完全失業率や新規高卒者の就職状況については改善傾向が見られるものの、産業構造の高度化等社会情勢の変化等により、依然として雇用のミスマッチが続いている。
    このため企業ニーズに対応した人材育成に取り組むとともに、増加するフリーター等への支援については、「ジョブカフェOSAKA」において国、産業界、教育界等と連携し事業展開を図り、若年者の雇用確保に努めること。

【6】医療・福祉の充実

1.精神医療センターの現地建替え

施設が老朽化・狭隘化している精神医療センターについては、地元の意向を十分踏まえ、PFIの手法を積極的に導入し、患者の人権尊重、療育環境やアメニティの確保の観点から早期に現地建替えを推進すること。

2.心神喪失者等医療観察法の運用

心神喪失者等医療観察法の運用にあたっては、地方独立行政法人化後も含め、府立精神医療センターが求められる公的使命を果たす上で過大な負担とならないよう、国に対し人材確保や財源措置等を強く働きかけること。

3.救命都市大阪を目指した施策の充実

府民誰もがどこでも救命活動に取り組む気運を高め、対策が講じられるよう「救命都市大阪条例」を制定するなど、オール府民で、救命の意識を共有できる施策をさらに充実すること。

4.小児科医療及び産婦人科医療の充実

小児科及び産婦人科については従事する医師が減少傾向にあり、初期救急医療体制を維持することが困難になりつつある。初期救急医療体制の整備については、本来市町村の責務であるが、医師の広域的な確保調整など市町村の枠組みを超えた課題があることから、府としてもその実現に向け、積極的に支援すること。

5.厚生年金病院、国立循環器病センターの機能維持

厚生年金病院の整理合理化にあたっては、大阪厚生年金病院及び星ヶ丘厚生年金病院がこれまで果たしてきた地域医療への貢献に十分留意し、これらの病院が持つ高度かつ公的な医療機能を引き続き維持できるよう国へ要望すること。 また、国立循環器病センターについても同地域での維持を図るよう国へ要望すること。

6.介護保険制度の見直し

現在、制度内に「予防重視型システム」の導入が検討されているが、創設と引き換えに生活サービスや軽い介護度の利用者の利用抑制、機械的な利用制限が起こらないよう取り組むこと。また、施設入所費用についても在宅者と均衡させるとしながら、在宅にあわせることで入所者に新たな負担を課し、これにより、低所得者が施設に入所できなくなるといった事態が生じないよう、見直しの際に国へ強く求めること。

7.老人大学の充実

老人大学において高齢者の方々が新しい知識と教養を身につけることにより、地域社会でリーダーとしての役割を担うことができるとともに、自らの生きがいづくりにもつながることから、時代に即した内容となるよう講座の充実を図ること。また、老人大学講座の修了者がボランティア活動などで地域に貢献できるよう市町村とも連携しながら社会参加の仕組みを構築すること。

8.障害者福祉施策

現在、国会で審議されている障害者自立支援法案については、十分な意見聴取により障害者団体およびその家族、関係団体の現状を把握し、今後とも十分な審議を尽くすとともに、障害者自立支援施策の充実を進めることを国へ要望すること。

9.府立知的障害者大規模施設の再編整備

金剛コロニー、砂川厚生福祉センターについては、ノーマライゼーションの考え方に沿って、関係市町村との調整に努め利用者の地域移行を進めるとともに、利用者ニーズを踏まえた施設として再編整備を計画的に行うこと。

10.福祉と農の連携

花や野菜などの作物を育てる農業や園芸作業は、心身を癒す効果があると言われている。この農業や園芸作業を障害者が広く取り組めるよう福祉と農が連携し、障害者の地域への参画や生きがいづくり、さらには自立した生活に向けて取組みを進めること。

11.福祉のまちづくりの推進

誰もが自らの意思で自由に移動でき、社会に参加できる福祉のまちづくりの実現が強く求められている。そこで、特に多くの人々が利用する鉄道駅周辺のバリアフリー化を進めるため、「交通バリアフリー法」に基づく基本構想を府内すべての駅周辺で策定されるよう市町村を支援すること。併せて、鉄道駅におけるエレベータの設置に対しては府民からの要望が特に強いことから、駅単独でエレベータを設置する際にも補助制度を設けるなどの支援策を講じること。

また、福祉のまちづくり条例に基づき整備が求められている都市施設のうち、既存の施設の整備は十分進んでいないことから、定期的な改善計画を強く求めるなど、事業者の意識啓発を積極的に行うこと。

12.アスベスト対策

昭和62年にも府議会で問題指摘がなされていたにもかかわらず死亡者の増加によって行政が重い腰を上げたと受け止めざるを得ない。この間の取組みの停滞を厳しく総括した上で、大阪府アスベスト対策推進本部において、総合的な対策に直ちに取り組むこと。特に、緊急度が高い課題に対し、次の施策展開を図ること。  

  1. 平成11年から15年の人口動態統計によると、大阪府においてアスベストが原因とされる中皮腫による死亡者数は395人となっており、全国で最も多い。一方、大阪労働局管内における中皮腫の労災認定件数は同期間にわずか15件となっている。この差について、職業による被災が見過ごされているのか、あるいは事業場の周辺に居住していたため発症したのか、大阪府としても独自に調査すること。また、以前にアスベスト製品を製造又は使用していた事業場における健康被害についても調査し、情報を公開すること。
  2. アスベストによる健康被害に不安を持つ府民に対し、保健所等を活用し、市町村とも連携しながら健康相談に応じられる体制を整備すること。また、呼吸器疾患の専門医療機関である大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター等で診療を受けられる体制も整備すること。
  3. 府立学校を含めた府有建築物におけるアスベスト使用の有無を確認するとともに、継続的な利用や解体の際にアスベストによる健康被害が生じないよう対策をとること。
  4. アスベストを使用している市町村の水道管に対し、利用者の不安を取り除くことはもちろん、老朽化した石綿管の早期取替や、水道管工事の際のアスベスト取扱マニュアルの策定など、抜本的な対策をとるよう指導及び必要な支援を行うこと。

【7】大阪の活性化

1.東アジア戦略と産業振興

  1. アジアの中枢都市・大阪ビジョンを早急にとりまとめ、2008年に日本で開催されるサミットを誘致するなど、経済・文化・人材育成など多方面から魅力ある都市づくりを積極的に進めていくこと。また、サミット誘致に際しては、テロ対策はじめ万全な危機管理対策を講じ、府民の不安を払拭すること。
  2. 貿易促進や海外進出支援をはじめ東アジアとの経済交流をさらに促進し、アジア市場の活力を大阪経済の再生に生かすとともに、アジアをリードする競争力ある産業の育成を図るため、行動計画を早急に策定し、戦略的な取り組みを進めること。 
  3. 東アジア・中国をにらんで大阪がアジアの中枢都市として発展していくため、経済界と連携しながら、内外企業のビジネス拠点機能の集積に努めること。

2.関西空港の国際競争力の強化・活性化と大阪空港の位置づけ

  1. 中部国際空港の開港を踏まえ、我が国における航空旅客・貨物の国際拠点空港としての役割を果たせるよう、休便となった路線の復活や、関西空港ならではの特色ある国際線開拓に協力すること。また、国内線の果たす役割を見直し、国際線との乗り継ぎ利便性を向上させるための国内線の整備を国や関係者に強く求めること。
  2. 関西空港の集客力を高め来港者の増加を図り、空港そのものを魅力ある施設として活性化することにより、航空系収入以外の収入を増やすよう関係者に働きかけること。
  3. 関西空港への支援のあり方については、空港会社の経営は国が責任を持つべきであり、府としては「関西国際空港全体構想促進協議会」のエアポートプロモーション等を通じて、空港の利用促進や空港島のにぎわいづくりに向けた集客支援策を充実すること。
  4. 大阪空港は国内線の基幹空港という位置づけから離れることなく、関西経済の発展・都市形成に最大限の効果を発揮するための運用について、国との協議を進めること。
  5. 関西の空港行政を一体的にとらえ、三空港を総合的に考えた経営のあり方を国に求めること。

3.観光の振興 

大阪府観光戦略プログラムに基づく、VISIT OSAKAキャンペーンを推進し、今後、大幅な観光客の増加が期待される東アジアの国々の観光ニーズに応じた取り組み、とりわけ、中国に対する誘致活動を積極的に進め、観光客の増加を図ること。 あわせて安くて安全・快適に宿泊できる簡易宿泊所が大阪の新たな観光拠点として定着するよう、官民が一体となって、積極的なPR活動や利用促進策を実施するとともに、案内板、標識、案内アナウンスなどのインフォメーションを多言語で行い、観光客が安心して大阪を訪れる環境整備に努めること。 また、観光による直接的な経済効果に加え、大阪が誇るオンリーワンのものづくりの成果や伝統を、来阪する外国人旅行者にわかりやすい内容で広く紹介する取り組みを進めるなど、観光も大阪の産業振興の一つの手法として活用を図ること。

4.文化振興条例に基づく施策の推進

文化振興にあたっては、次代を担う子どもたちに豊かな歴史に育まれてきた大阪の文化をしっかりと引き継ぐとともに、豊かな感性を育めるような文化的環境を整えること。また、大阪の文化力を活発にし、大阪の顔としての文化を内外にはっきりと発信していくためには、将来の大阪文化をリードする意欲ある若手のアーティストが十分に活躍できるよう支援するなど、人材の育成に積極的に取り組むこと。

【8】環境保全活動の推進

1.地球温暖化・ヒートアイランド対策

  1. 京都議定書が今年2月16日に発効し、温室効果ガスの削減を世界的に進めていかなければならない状況において、大阪府域では、地球温暖化にヒートアイランドが加わった2つの温暖化現象に直面している。このような中、「大阪地球温暖化対策地域推進計画」、「大阪府ヒートアイランド対策推進計画」の目標達成に向けて、実行可能な対策を早急に推進することが求められる。そのため、事業活動のエネルギー対策、建築物の環境配慮、建築物の敷地等における緑化を促進する制度を早急に条例化すること。また、民間事業者へのインセンティブとなる制度の創設を検討するとともに、府有施設においてこれらの対策を積極的に推進し、府民や事業者、市町村と協力して取り組んでいくこと。
  2. 水の循環は、人間の生命活動や自然の営みに必要な水量の確保のみならず、熱の運搬、更には植生や水面からの蒸発散と水の持つ大きな比熱効果による気候への影響など環境保全上重要な機能をもっている。そのため、特に、雨水の活用や透水性・保水性舗装の促進により、都市における水循環のバランスを確保する取組みを進めること。
  3. 人と環境にやさしい都市公共交通機関であるLRTの意義が浸透しつつあることから、自動車交通からの転換など環境への負荷軽減等を目的とした視点で整備促進に向けた取組みを進めること。
  4. 石油の使用を抑制し、自動車排出ガスを削減する上で、環境に負荷がかからない交通手段である自転車の利用が極めて有効であることから、自転車の利用を促す施策を展開すること。また、都市において、自転車が利用しやすい環境を整えるため、自転車道の整備を進めること。

2.循環型社会に向けた取り組み

  1. 「循環型社会形成推進条例」に基づく自家産業廃棄物の保管の届出等について、建設業製造業等関連業界に対する周知・徹底を図るとともに、産業廃棄物の不法投棄など不適正処理の取り締まりを強化し、リサイクル社会の実現を目指すこと。
    また「放置自動車の適正な処理に関する条例」は、その適用範囲が、府が所有または管理する土地に限定されている。自動車リサイクル法の施行に伴い、府域の放置自動車対策をより一層推進させるため、これまでの課題を明らかにするとともに、道路や河川等の管理者である市町村に対し、あらゆる機会を利用して条例の制定・改正を働きかけること。
    さらに、不法投棄家電の処理については、従来の家電メーカールートではなく、既存の再生資源業者に委託する「大阪方式」がより一層市町村に広く活用されるよう働きかけること。
  2. 周辺環境に著しく悪影響を及ぼす硫酸ピッチなどの有害物質の不法投棄が問題になっているが、民有地において不法投棄した関係者が不明な場合は、原状回復の行政代執行ができずに、被害にあった土地所有者が処分費用を負担しているのが現状である。急増する産業廃棄物の不法投棄に対応するため、原状回復のための被害者救済制度を検討するよう国に対して求めること。

3.環境アイランドの実現

「大阪エコエリア構想」に基づき、リサイクル施設や共生の森事業をはじめ、堺第7−3区における環境アイランドの充実を図ること。堺第7−3区の跡地利用については、地元市と協議すること。

4.里山の保全

大阪府近郊の里山は、林産物の供給の場や田畑、海を育てるための貴重な水源であるだけでなく、都市住民にとっても生活の上での人間関係の再構築や文化形成にとって、大きな役割を有し、地域の活性化を促す重要な存在である。そのため、森林所有者、地域住民等のほか企業、NPO法人、森林ボランティアなど都市住民とともに府民協働型の里山づくりを推進すること。

5.府民協働による身近な水辺の再生

ヒートアイランド現象の緩和や環境学習の場として活用できるよう、河川、農業用水路、ため池などの身近な水辺を安全に配慮しつつ府民協働により再生すること。

6.動物愛護センターの設置

身近な動物とのふれあい等を通じて、生命の大切さや動物の適正飼養の普及啓発を図るため、「動物愛護センター」の早期設置を図ること。

7.動物由来感染症対策の拠点整備

鳥インフルエンザなどの人畜共通感染症等のように、海外から侵入する病原体に対する府民の不安は、食の安全の観点からも大きなものになっている。 このような状況に対して、府内に検疫機関、研究機関、検査機関が相互に連携した拠点づくりが必要である。 このため、関西国際空港の動植物検疫所等とも連携するなどこうした課題に対応できるような動物由来感染症対策の新たな体制整備を図ること。 

8.大阪農産物の安全対策

食の安全確保が求められている中、府民の安全安心な農産物を求めるニーズに応え、大阪農産物に対する信頼を確保・構築するため、生産履歴の記帳など生産者が取り組むべき事項を示し、その普及を図ること。

【6】教育の向上

1.府立高校の学区の見直し

現在見直しが進められている府立高校の学区については、学区統合後に特定の学校に受験者が集中し、学校間格差が大きく生じないよう、市町村と連携して進路指導に留意すること。

2.夜間定時制高校の充実

「新高校整備推進プロジェクトチーム(夜間定時制の課程)報告書」に示された、柔軟な単位認定、カリキュラムの充実、施設設備の拡充などの改革が推進されているが、夜間定時制高校数の半減を含む抜本的な改革が開始した時期であることから、夜間定時制高校で学ぶ生徒の就学機会を損なうことのないよう保障すること。

また、改革の内容については、保護者、中学校、関係機関等に対し、十分な説明を行い、周知させること。

3.府立学校の大規模改修

府立学校における教育環境の改善を図るため、老朽化が進んでいる校舎等の改築・改修を早急に進めること。

4.知的障害生徒の高校受け入れ

高等学校における知的障害生徒の受け入れについては、9学区に1校とし、各校2〜3名との方針が示されているが、保護者の希望とかけ離れた状況となっていることから各校の受け入れ人数を大幅に増やすこと。また、将来的には障害程度に応じて本人の資質が生かせ、自ら学びたい学校を選択できるよう各市に一校以上受け入れ校を設置するなど地域で共に学び、共に育つ環境整備を進めること。

5.私学教育の振興

私立高等学校生徒の保護者負担の公私間格差是正に向け、三位一体改革をチャンスとして、府としてのグランドデザインを策定すること。

授業料軽減助成の財源措置を国に求めるとともに、大阪府育英会奨学金について周知徹底を図ること。

6.学校の安全対策

本来学校は地域に開かれた中で教育がなされるべきものであるが、最近の学校における事件の多発は放置できないことも事実である。 大阪府が3年間の期限付きで学校の警備員等の配備に対して2分の1の補助を今年度から実施したが、その後はどのようにするのか。各市町村に負担を転嫁させることは困難である。大阪府の考え方をまとめるとともに、国に対しても対策を求めること。

【10】子育て支援と男女共同参画社会の実現

1.少子化対策

  1. 平成16年度の大阪府における合計特殊出生率が全国平均を下回る1.20人であることを踏まえ、安心して子どもを生み、育てられる環境整備に向け、実効性ある取組みを進めること。
  2. 次世代育成支援行動計画については、一般事業主行動計画の策定が企業に義務付けられているが、策定が努力義務となっている常時雇用労働者が300人以下の事業所における仕事と家庭の両立のための取組みが進むよう、大阪労働局とも連携して支援策を講じること。

2.子育ち・子育て支援

  1. 児童虐待防止、早期発見、対応強化のため、学校医、教師、地域との連携を図るなど、子ども家庭センターの体制をさらに強化すること。また、児童養護施設へのカウンセラー等専門スタッフを充実すること。虐待ならびにDV(家庭内における夫などから妻への暴力)被害の子どものための施設における心理治療と社会適応訓練を充実し、少人数ケアなどを実施できるよう、職員配置の抜本的改善などを国に求めること。
  2. 「小児救急電話相談事業」については、聴覚や言葉に障害のある保護者からの相談に応じられるよう、FAXやEメールも活用するなど、保護者の不安を解消し、安心できる小児救急医療体制を確立すること。

3.子どもの権利条例の制定

次代を担う子どもを社会の宝として捉え、虐待や犯罪から子どもを守るとともに子どもが権利の主体として尊重されることや、子どもが自ら考え、責任を持って行動するなどの自立性や他者を思いやる心を養うことへの取組みを明確にするため、子どもの権利条例を速やかに制定すること。

4.DV防止と被害者支援

  1. DV防止のための非暴力コミュニケーション術や加害者教育プログラムの開発、普及を行うこと。
  2. DV被害者が生活の基盤をつくり早期に自立できるよう、福祉向け住宅の応募に加え、更なる支援制度を設けること。
  3. DV被害者を支援するNPOに対する財政的支援を行うこと。

【11】安全・安心なまちづくり

1.警察官の増員

府民の身近で発生するひったくり・路上強盗等の街頭犯罪の認知件数は、減少傾向にあるものの5年連続全国ワースト1となっている。厳しい治安情勢を考慮し、政令定数による警察官の大幅な増員を国に対して、引き続き強く求めること。 また、大阪府における検挙率が全国平均と比較して低い現状を踏まえ、その対策の一つとして、警察官の地域巡回は犯罪の抑止に大きな効果があることから、府民の目に触れる機会を増やす地域の巡回に努めること。

2.空き交番対策

警察官の配置については、ひったくりや路上強盗等の街頭犯罪や各種事件事故が多発している地域の警察署や交番を優先するとともに、空き交番を解消すること。

3.警察署・交番のIT化

警察事務の効率化を図るため、パソコンの拡充整備及び通信ネットワーク回線の整備など、警察署・交番のIT化を進めること。

4.犯罪被害者等への支援

誰もが突然犯罪に巻き込まれたり、被害者になる可能性がある中で、犯罪被害者等基本法に基づく犯罪被害者等基本計画が策定される予定である。保健医療、福祉サービスの提供、居住や雇用の安定、被害者理解等の広報活動、民間団体に対する援助など、地方自治体の役割も具体化されることから、犯罪被害者支援体制を充実すること。

5.信号機の設置促進

交通安全に重要な役割を果たす信号機の設置については、府民からの設置要望に十分応えるため、予算枠を拡大するとともに住民からの寄付を活用するなど設置計画を前倒しする方策を検討をすること。

6.公共交通機関の安全確保に向けた取組み

  1. 府内で運営している公共交通機関事業者に対し、運行の安全性を向上させるよう求めること。
  2. 踏切内の歩車分離を行い、踏切周辺での歩行者の安全を確保するよう鉄道事業者と一体となって対策を進めること。
  3. 踏切による事故等をなくすための抜本的な対策となる鉄道の高架化・道路のアンダーパス等に積極的に取り組むこと。  
  4. 鉄道に乗車している際の突然死を防止するため、列車内においてAED(自動体外式除細動器)を配備するよう鉄道事業者に要請すること。

    7.子どもの安全対策

    1. 連れ去り、暴行、痴漢等子どもを狙った犯罪が多発している中、こうした犯罪から子どもを守るため、子どもの安全にかかわる情報を携帯電話等にインターネットメールで瞬時に提供できるようなITを活用したシステムを、市町村において構築するよう支援すること。
    2. 小中学校近辺の信号や、歩行者を巻き込む交通事故が多発している交差点については、歩行者の安全を確保するため歩車分離信号を設置すること。
    3. 府内の中・高校生が毎年2〜3人突然死しているという事実をうけとめ、府立学校全校にAED(自動体外式除細動器)を配備すること。
    4. 「エピペン」を処方された子どもが、学校内でアナフィラキシーショックを起こした場合、本人に代わって、担任の教員などが「エピペン」を使用できるようガイドラインの早急な策定を国に対し強く要望すること。また、学校においては、保管方法や管理体制等を整え、アレルギー疾患のある児童生徒が安全に学校生活を送れるようサポート体制の充実に努めること。

    8.違法駐車の取り締まり

    道路交通法の改正により、放置車輌の確認及び標章の取付けの事務を一定の法人に委託することができるようになったことから、駐車違反の対応業務については、地域社会の力を活用できるよう検討すること。

    9.暴騒音規制の見直し

    府民の日常生活が脅かされることのないよう、反復的かつ示威的な暴騒音を取り締まるため、「拡声機による暴騒音の規制に関する条例」を他府県の規制基準とも整合性を図りながら、改正を行うこと。

    10.自転車の安全対策

    自転車は道路交通法上、自動車やバイクと同じ「車両」と規定されているにもかかわらず、最近、交通ルールを無視した自転車走行やそれに伴う交通事故が目立つことから、これまで以上に交通ルールの周知徹底を図るとともに、悪質な法令違反については取締りをするなど、街頭での指導を強化すること。