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森みどりの府議会レポートNo.21 > 2006.12月 定例会

府議会一般質問

=男性職員育休取得率向上へ→ 府、取り組み強化示す=

子どもをはぐくみ育てる大人社会の状況はますます悪化をしてきています。経済的格差の広がり、パート、アルバイト、派遣労働などの不安定雇用の拡大、働いても働いても生きていくのが切なくなるような低賃金の人たちの増加、サービス残業も含めた長時間労働の横行、これでは余裕を持って子どもと向き合いながら子育てをすること自体が難しくなっています。
 そのような中で、大人自身の抱えるストレスが子どもに直接吐き出される児童虐待、大人からの過度の期待や愛情不足から起こってくる子ども同士のいじめ、そして不登校や自死事件など、これらはすべて大人社会に向けて発せられた子どもたちのSOSだと私は考えます。子どもは生きてそこにいてくれるだけで大人はうれしく幸せなのだということを本気で子どもたちに伝えることが今何より大事なことではないでしょうか。子どもたちの叫びを私たちは真っ正面から受けとめ、一人一人ができることを始めなければならないと思います。
 その思いを込めて、本会議一般質問で三つの課題について質問をしました。



1.特定事業主行動計画の目標達成について
=男性職員の育児休暇取得向上へ

 2003年7月に次世代育成支援対策法ができて、大企業は、従業員が仕事と家庭を両立できるように支援する行動計画をつくることが義務づけられました。大阪府も、昨年、特定事業主行動計画を策定され、その中で父親となる職員の連続5日間以上の休暇が新設され、平成21年度末での目標数値80%を掲げました。
けれど一年目である平成17年度の取得率は16.2%で、目標数値には遠く及ばない結果です。
目標達成に向けて今後どのように取り組むのか、休暇をとりにくくしている要因を洞取り除いていくのか、総務部長ならびに知事に質問しました。

<答弁>

育児休業を取得しにくい要因として、
@育児休業期間中は経済的に厳しくなる 
A周りの職員の負担がふえるといった職場に対する気兼ね
B育児休業を終え職場に復帰する際、仕事に円滑に対応できるか不安である
C職場自体に育児休業を取得しにくい雰囲気がある 

など、意識面における要因が多く示されている。
 今後、男性職員の休暇取得を促進していくためには、こうした意識面の要因、いわば見えざる壁を取り除いていく必要がある。そのためには、特に上司を初め同僚など職場全体の理解や意識を高めていく努力が必要である。男性職員における育児休業や休暇の取得促進は、少子化傾向の中で、育児への男性の参画や仕事と子育てを両立できるモデル職場づくりにつながるものであり、またそのことは、府内市町村や企業へ男女共同参画の取り組みを広げる上からも重要であると考えている。
 今後、制度の周知や啓発だけではなく、子育てに関する休暇取得の具体的なモデルケースを示し、また休暇取得予定を職場で共有することなどにより、管理職はもとより職場全体で男性職員が子育てに積極的に関与することが当然であるという機運を高め、休暇取得率の向上につなげていく。
 行動計画については、改めて職員アンケートを実施し、その結果を踏まえて必要な見直しや充実を図り、一層の取り組みを進めていく。それにより男女共同参画のモデル職場として、職員にとっても子育てしやすい職場環境づくりを推進していく。



2.子どもの権利条例について

2004年1月に岸和田市で起こった児童虐待事件を契機として、次代を担う子どもを虐待や犯罪から守るとともに、子どもが権利の主体として尊重されることや、子どもがみずから考え責任を持って行動するなどの自律性や他者を思いやる心を養うことへの取り組みを明確にするため、大阪府において子どもの権利条例が検討され、条例骨子案が出されました。

  1. 知事は「認定子ども園」が待機児童の解消につながると答弁されたが、もともと待機児童のいる保育所が子ども園になっても、新たにできることは3才から5才の子どもの教育だけで、0才から2才の待機児童は減ることはありません。
  2. 条例骨子案では、条例の名称から権利という言葉が抜けているが、子どもの権利条約の精神を踏まえ、子どもを権利の主体として認め、子どもの人権を守るという姿勢が後退しているのではないか。
  3. 当事者としての子どもがみずからの大切さや権利の主体であることをしっかり認識することが重要ではないか。
  4. 子どもを含めた府民の理解を深めるため、わかりやすい広報活動、情報の提供など効果的な取り組みを行うべきである。
  5. 子どもを擁護する取り組みの推進について、家庭や学校、児童福祉施設など、それぞれの場に対応した権利擁護の取り組みを充実していくためには、例えば権利侵害事象に関する白書のようなものを作成して実態を把握し、その中から課題を抽出して具体的な改善につなげ、さらにそれを検証していくといった実効性の高い取り組みが必要だと考える。

<答弁>

大阪府子どもの権利についての条例検討会議の検討結果をまとめた提言では、権利という言葉の多義性に考慮し、条例における子どもの権利について、人としての尊厳、人としての権利である基本的人権のことであると定義をされております。その上で、府として、仮称でございますが、「大阪府子ども条例骨子案」としてまとめた。子どもを権利の主体として認め、子どもの基本的人権を守るという姿勢は一貫している。
次に、子どもに対する周知啓発につきましては、できるだけ平易な表現を用いたパンフレットを作成するなど、条例の制定後速やかに効果的な手法で実施する。
 最後に、権利擁護の取り組みを含めた、子どもの尊厳を守り、健全な育成を支えるための具体的取り組みの実効性につきましては、条例に基づき総合的な計画を策定し、その実施状況を毎年公表して進行管理を行っていくことにより確保していく。



 「大阪府子ども条例」については、子どもの権利条約の精神がベースにあることを踏まえ、 虐待や育児放棄から子どもを守ると同時に、子ども自らが自分を大事にできる 自尊感情を育てていくことも重要な柱となり実施されていくよう、 検証していかねばならないと考えています。


3. いじめ、不登校、自死、これら子どものSOSを受けとめるために不可欠な学校への人的支援

学校には、家庭での養育が十分なされていない子も含めて、日々さまざまなストレスを抱えた子どもが登校しています。一人一人にかかわって話しかけ、話を聞き、もめごとがあれば解決し、そして授業を進める。学年が進んでも、子ども自身にかかるストレスが減らない限り、また家庭や地域の子育て力が大きく回復しない限り、なかなか問題は解決しません。いじめなどは、より教職員からは見えにくくなり、深刻化していきます。先生たちは毎日毎日綱渡り状態だと会うたびに言われます。実際、精神的にも肉体的にもくたくたになって倒れてしまう先生もふえ続けています。
 それでも、教職員は、いじめだけでなく暴力行為や不登校、虐待行為などの問題も含めて、子どもが発するSOSに敏感かつ適切に対応することが強く求められているのです。さまざまな課題を抱えている子どもにとって、学校を楽しく居心地のよい場所にするためには、子どもの声を敏感にキャッチし、現にある問題に丁寧に向き合い、未然防止及び被害児童生徒に対する支援の取り組みを進めていかねばならないのです。
 そのためには、それが十分できるだけの人が学校にいなければなりません。とにもかくにも、今の学校に生徒指導体制充実のための人的な支援が必要だと考えます。

<答弁>

学校において発生したいじめを解決するためには、各校に設置されているいじめ不登校対策委員会等の校内会議において、担任、養護教諭、指導総合コーディネーターなどが連携し、いじめの解決に向けた具体的な方策を検討していく体制が不可欠と考えている。
 とりわけ、指導総合コーディネーターは、生徒の問題行動への対応やいじめ、不登校などの未然防止に重要な役割を果たしています。市町村からその増員を求める声が寄せられており、今後、全国都道府県教育長協議会などを通じて、国に対しその定数の確保につき積極的に働きかけを行ってまいりたい。



教育現場への人的、財政的支援は、国が真っ先にやらなくてはならないことであると私も思います。
しかし、それを待つだけで本当にいいのでしょうか。
国は、市町村や学校現場が切実に要望しても、スクールカウンセラーの財源を縮小したり、 家庭の教育機能総合支援モデル事業の取り組みも、あっさりと財源を打ち切ってきた。
本当に必要な施策、今何をおいてもやらなければならない施策は、国がきちんとやらないのなら、 府が独自にでもやるんだという気構えも必要ではないか。
それぐらいの覚悟を持って取り組んでいくことを知事並びに理事者の皆さんに強く要望して、 私の質問を終わりました。