TOP > 府議会レポート

森みどりの府議会レポートNo.24



8月3日、民主党・無所属ネット議員団として「平成19年9月議会および平成20年度予算に向けた府政に関する提言」を太田知事に手交しました。内容は以下の通りです。

【2007年8月】知事への政策提言

【1】地域主権の実現

全国知事会は「国の関与の廃止等について」として132項目にわたり、国による義務付け・格付けの廃止、権限移譲について、政府の地方分権改革推進委員会に提案した。例えば、保育所の設備や職員配置などの基準設定を地方に権限移譲することなどである。

また国による関与を廃止・縮小するための手法として、法令に対して地方の条例による上書き権を求めることも重要である。これらの地方の自由度の拡大は三位一体改革に続く「第二期地方分権改革」の重要な柱であり、国に対して強く働きかけるよう求める。

また地方税財源については、「国と地方」の分権改革の議論を「都市対地方」の税源配分の問題にすり替える議論に対し、府議会あげて疑問を呈し、税源移譲や地方交付税の総額確保を通じた税財源の拡充こそ必要であるとの意見書を採択したところである。第二期分権改革での6兆円程度の税源移譲、地方交付税が地方固有の財源であることを明確化するための「地方共有税」の導入も含め、全国知事会との連携を緩めることなく国に働きかけること。

【2】大阪の格差解消に向けて

『パートや非正規雇用』の低賃金問題と、『下請け中小企業』の減収、請負価格破壊、ワーキングプアや格差拡大への歯止めは緊急な課題である。

グローバル経済のもとで海外との価格競争など大企業は国際競争力をめぐる熾烈な競争に勝ち抜くため、企業内労働分配率の低下を達成する一方、生産、販売体制の再構築のため国内取引企業の選別・集約とともに海外での生産拠点のシフトも視野に入れている。『大企業の経営が回復すれば給与に反映し、やがて中小企業にも波及する』というのは今日では通用しない。景気回復は実感できないのである。

さらに、厳しさを増す競争に打ち勝つため下請けへの不適正取引など、中小企業の間ではまさに野放しの状態である。「原油などの原材料価格の値上がりを価格転嫁させない」「電話での口頭発注のあいまいな条件で納期を迫る」などである。しかしそこは下請けの弱み、公正取引委員会に告発する事例は皆無に近い。

我々は、最低賃金の引き上げや正規雇用の拡大という課題と、中小企業の生産性の向上に加え、下請取引の適正化を併せて一体的に取り組み、格差拡大の歯止めとして、知事を先頭に戦略的に取り組むべきであると考える。

(1)最低賃金の引き上げ

最低賃金の引き上げが、府内において時給換算で働く多くのパート・アルバイト労働者の労働条件アップ、底上げにつながり、ひいては生活格差の是正をもたらすものである。したがって、最低賃金を大幅に引き上げるよう、国等への働きかけを強化すること。

(2)非正規雇用者の待遇改善等

パート・アルバイト、派遣社員等非正規で働く人たちの待遇改善、正社員化に向け、次の施策展開を図ること。

  1. 正社員比率を高めるため、企業に対して働きかけや、行政と労働者代表、使用者代表との協議の場を持つなど取組みを検討すること。
  2. 正当な理由のない契約期間中の解雇や雇い止めを禁止することなどを盛り込んだ「有期契約労働法」等の制定を国に働きかけること。
  3. 非正規で働く人に対する労働条件改善に向け取組みを強化すること。

(3)中小企業の底上げ

 「下請法」に基づく公正取引委員会等での指導監督は資本金1千万円を超える親企業に限られており、2次下請け3次下請けの取引に適用される場合は限られている。

大阪の中小企業の技術力や経営基盤の崩壊を防ぎ、中小企業の底上げを図るため、下請け企業の経営力や交渉力を向上させることが必要である。そのため、大阪府としても、下請け企業に対する相談機能や啓発を充実させるなど、下請取引の適正化を側面から支援する施策を講じること。

また、中小企業経営革新や人材確保支援についても引き続き強化すること。

【3】未来を志向した新たな行財政改革

(1)新しい行財政計画に基づく施策等の実施

  1. 地方財政健全化法が成立した。これは北海道夕張市の財政再建団体への転落や「隠れ借金問題」等をきっかけに財政の早期是正や情報の開示や正確性を担保するための法改正である。いまだ詳細な基準が示されていないとはいえ平成20年度予算編成にも関連することから早期な対応が求められている。
    大阪府行財政改革プログラム案では府債残高は約5兆円に上っている。しかしこの健全化法においては、一般会計のみならず公社や第三セクターに対する将来負担見込も含めて指標化されることとなっており、われわれの試算によれば、府債に公社三セク債務0.4兆円・債務負担行為2兆円・退職引当金0.6兆円と合わせて8兆円近くになると考えられる。
    しかも国による早期健全化団体の基準が不明確とはいえそれを上回る危惧すら禁じえないのである。また大阪府内市町村においても実質赤字や実質公債費比率の高いところがあるとも言われている。
    そこで、大阪府として国に対して詳細な基準を早期に示すよう求めるとともに、今後とも府民への情報の開示、総合的な財政健全化に向けた取り組みをよりいっそう強めること。
  2. セーフティネットの構築、教育、安全、介護など都市需要に応じた施策の展開に支障の無いように取り組むこと。
  3. 再生重点枠については、新規性、波及効果、知事のメッセージ性の高いものに限定すること。
  4. 市場公募債の金利が自由化されたことに伴い、投資家、格付け機関などに対する効果的なIR活動が必要となっている。そこで、東京等でのIR活動や依頼格付けなどについて十分検討すること。
  5. ネーミングライツをはじめとする資産活用や貸付金や出資金など債権等の有効活用について具体化すること。
  6. 大阪府指定出資法人の経営については、議員提案により制定された出資法人等関与条例に基づき、評価、助言等を適切に行い、府の行政目的の効率的かつ効果的な達成を図ること。
  7. 政令指定都市となった堺市が、めざすまちづくりに対して、府として支援すること。
  8. 公共事業の落札差金については、財政健全化と新たな行政課題に活用すること。

(2)指定管理者制度の運用と公の施設の改革

今後とも府民との協働の観点からNPOや市民団体の参画機会を一層拡充し、事業目的とこれまで培ってきたノウハウが継承できるよう努めること。また、管理者公募の際には広く事業者を募る観点から、適切な情報提供と十分な募集期間の設定を行うこと。

さらに、指定管理者の導入により、サービス内容や経費がどのように改善されるのか事前に審議できるよう、基本的な情報提供を行うこと。一方、公募選定を行わない施設については、透明性・公平性を担保すること。

(3)ITの活用と情報管理の促進

電子自治体推進協議会を支援し、各市町村が行った古いシステムの改善、オープンソースの開発や電子入札、税務申告、各種納付などのシステム導入等の取組みに対し、技術、人材面での支援を行うこと。

また、平成16年9月から本格稼動した市町村における電子入札システムについては、参加自治体が9市と少なく、各市において運営経費等高額な負担となっていることから、本システムに対する参加自治体の拡大を支援すること。

さらに、行政情報の漏洩が全国で多発し、大きな問題を引き起こしている。従って、情報管理について、システムの改良、職員の意識改革、問題解決のための市町村との効果的な連携などを一層促進すること。

(4)府市二重行政の解消

先に府市首脳懇談会で検討課題とされた6項目について、実施が合意されたものは早急に具体化するとともに、さらに中小企業に対する経営・技術支援等について、類似重複する政策や事業を洗い出し、統合や連携により二重行政の解消を図り、効率的かつ効果的な行政を実現すること。

(5)府住宅供給公社の経営改善

府住宅供給公社が新たに策定した経営改善計画をもとに、徹底した合理化を図るとともに資産の有効活用、事業用土地資産の処分及び建て替え事業により発生する余剰地の売却を積極的に進め、1900億円の有利子負債の着実な削減に努めるとともに公社そのもののあり方を含め、早急に検討すること。

【4】大阪の都市再生

(1)広域交通ネットワークの形成

  1. 阪神高速道路公団民営化後の課題
    民営化した阪神高速道路株式会社に対しては、徹底した自助努力を求めるとともに、都市部の高速道路の整備にあたり、国費の増額等新たな支援策を求めること
    。平成20年度の対距離料金制への移行にあたっては、府民の要望の強い高速道路料金の引下げなどによる既存高速ネットワークの効率的活用・機能強化の視点に立ったうえで府民の合意形成に向けて十分な説明を行うこと。
    ETCの普及などを通じ、弾力的料金設定等により特定料金区間に配慮するなど利用者に還元した料金体系にするとともに民営会社としての社会貢献策についても府民に明らかにすること。更に特に慢性的な渋滞箇所の原因調査とその解消に努めること。
  2. 第二京阪道路及び関連道路の整備促進
    2年の遅延が決まった第二京阪道路が必ず平成21年度末に全線供用開始となるよう求めるとともに、府として積極的な調整機能を果たすこと。また、自動車専用道路以外の一般道、副道、自転車道については早期の部分供用が図られるよう取り組むこと。
    さらに、第二京阪道路の建設に併せて各地域で進められている都市計画道路等の供用開始については、あらゆる方策を講じて、事業期限内の供用開始に向けて取り組むこと。
  3. 新名神高速道路の整備促進
    西日本と東日本を繋ぐ唯一の大動脈である名神高速道路だけでは、将来の交通需要に対応することが困難であると予測されている。
    また、災害時においても東日本と西日本の物流を確保し、経済や社会生活を支えられる代替的な道路ネットワークの整備が求められている。
    そのため、新名神高速道路全線の早期整備を図るとともに、特に着工が先送りされた区間である大津ジャンクション以西の整備を強く国へ要望すること。
  4. 道路特定財源の見直し
    現在、国において検討されている道路特定財源の見直しにあたっては、これまでの配分割合を見直し、地方への配分を強化するとともに、揮発油税等の納付額の還元についても地域格差が生じないよう求めること。
  5. 公共事業の維持補修への重点化
    高度経済成長期に建設された都市基盤施設の大量更新の時期を目前に控え、将来につけを回さないよう、公共事業について新規整備から維持補修に重点を移すこと。

(2)安全・安心な水都大阪づくり

  1. 都市河川の管理
    寝屋川、平野川をはじめとする寝屋川流域では人口や資産が集中しており、府民の生命と財産を水害から守るため、河川改修はもとより治水緑地・流域調整池などの貯留施設、地下河川・下水道などの整備による総合治水対策が進められている。総合治水対策の事業費は減少傾向にあり、十分な治水安全度が確保されている状況ではない。
    このため、寝屋川流域の総合治水対策について、重点整備をさらに推進すること。
  2. 下水道の今後の展開
    ・安心・安全なまちづくりの取組みとして、近年、頻発する風水害による被害や東南海・南海地震等の発生について危惧されていることから、下水道における浸水対策及び耐震対策について推進すること。
    ・下水道普及率が90%を超え、維持管理の段階に入り、24時間止めることのできない下水道施設において、増加していく老朽化施設の計画的な改築・更新を推進し、今後も効率的な管理・運営に努めること。
    ・環境保全における下水道の役割は極めて重要であり、特に、府内河川や大阪湾の水環境の保全には、下水道による高度処理の推進が必要不可欠であり、積極的に取り組むこと。また、循環型のまちづくりや地球温暖化対策の推進といった観点からも、都市における下水道資源(下水処理水、汚泥等)の有効利用を図ること。
  3. 生活排水の適正処理
    下水道や合併処理浄化槽等の整備が、大阪湾及びその流域河川の水質浄化を完全達成する目的のために非常に重要な施策であることから市町村における生活排水処理計画の策定や見直しにあたり市町村に対する技術的支援や財政的負担軽減に努めること。特に平成17年度から実施されている合併処理浄化槽に対する財政的支援を充実させること。

(3)ダム事業

  1. 国土交通省がいわゆる事業の凍結・規模の縮小を表明した大戸川ダム、丹生ダム、余野川ダムの治水・利水にかかる撤退ルールをできる限り早期に明確化するよう国へ求めるとともに、大阪府負担分については府の立場を主張し、その負担については国と十分慎重に協議すること。
  2. 安威川ダム事業について、地元市や地権者に対しては移転問題など長期にわたって影響を及ぼしており、今後の地域対策も課題として残っていることから、その一環として安威川ダム周辺を豊かな自然環境とダム湖が融合した魅力ある地域創出ができる広域公園として整備すること。
  3. 槇尾川ダムについては、環境配慮も含めて治水ダムの今日的なあり方を検討し、見直しを含めて再検討すること。

(4)快適な住環境を守る

  1. 建築物の早期耐震化促進 建築物の耐震診断の結果、強度不足となった公営の建築物の早期耐震化を図ること。また、民間住宅の耐震化を促進するため耐震診断、改修補助の拡充を図ること。
  2. 住環境の創造と公的住宅のストック活用
    ・住生活基本計画、高齢者
    ・障害者住宅計画、府営住宅ストック総合活用計画で構成される大阪府住宅まちづくりマスタープランが策定されたが、これに沿って、安全・安心で居住魅力と活力ある大阪のまちづくりを着実に推進すること。
    ・PFI等民間活用手法を通じて府営住宅を建替えする際には、建替え等のノウハウを持つ中小企業の参入を容易とするよう配慮すること。

(5)府営水道の整備

府営水道のバイパス送水管等の整備については、中期整備事業計画に基づき着実に推進すること。また、その際、利水計画の見直しによる利水から撤退したダムへの負担金支出など、府営水道を取り巻く経営環境の変化を見極めた上で、料金の抑制を図りつつ、受水市町村の意見も踏まえて計画的な施設整備を行うように努めること。

【5】防災・危機管理への取組み

(1)危機管理体制の強化

台風の巨大化、記録的な集中豪雨の発生、大地震の発生等の災害対策上の課題に加え、有事など国民保護計画に基づく様々な危機事象が想定されることから以下により危機管理体制の強化を図ること。

  1. 東南海・南海地震対策に向けた広域防災体制の強化のため、堺2区に設置が決定した基幹的広域防災拠点(高次支援機能)を国、堺市と協力しながら着実に整備するとともに、「司令塔機能」の府内への誘致を国に積極的に働きかけること。
  2. 基幹的広域防災拠点「司令塔機能」を誘致し、将来的には首都機能バックアップエリアの拠点としての役割も視野に入れて取り組んでいくこと。
  3. 産業集積の促進をはじめ大阪の活性化、政治・行政中枢機能を高める観点にも立って、首都機能バックアップエリア構想を推進すること。
  4. 防災情報センターが大規模な災害やテロをはじめとする新たな危機事象にも十分対応できるよう、被災府県における応急対策上の教訓等も参考にしながら、携帯メールを活用した地域住民への多元的な情報提供をはじめ、センターの機能強化に早急に取り組むこと。特に、P波からS波襲来の予測を行う国の緊急地震速報との連動策を検討し、府地域防災計画に盛り込むこと。
  5. 防災情報センターを中核として、自衛隊などの防災機関、住民、企業、医療機関、各種ボランティア団体など広範な組織の参加を得て、他府県とも連携しながら実践的な訓練を実施すること。 
  6. 府が大規模な自然災害にみまわれた際、自衛隊をはじめとした広域応援部隊を円滑に受け入れることができるよう広域避難所にヘリ・サインを表示するなどの取り組みを「受入計画」に反映させること。
  7. 災害発生時等に物資の輸送などの応援協定を結んでいる企業等に対しては、緊急時に実効ある対応が図られるよう日頃から情報交換に努めること。
  8. 市町村地域行政無線のデジタル化への移行に際して、その整備事業への財政支援を行うこと。
  9. 備蓄されている医薬品・食料・飲料水等の効果的な活用ができるよう常に留意しておくこと。

(2)災害に備えた地下情報の調査・提供

阪神・淡路大震災のときの教訓では切り土や盛り土をした宅地造成地で被害が集中的に発生した場所があるとの調査結果が報告されている。そこで地表面に近い地下を調査研究するとともに更なる情報開示に努め、今後の対策に生かすこと。

【6】大阪の元気づくり(中小企業支援と雇用の確保)

(1)中小企業への金融支援の充実

中小企業への資金供給の円滑化を目的とした金融新戦略の取組期間が平成19年度末に終了することから、「ポートフォリオ型融資」「成長性評価融資」等の事業効果について総括するとともに、取組期間終了後の中小企業金融施策の展開に反映させるよう検討を行うこと。

平成19年度に導入が予定されている責任共有制度(部分保証制度)によって、中小企業への資金供給に支障をきたさないよう、全部保証が維持される小規模企業向け資金や開業資金の利用要件を緩和すること。また、保証協会に対し積極的かつ適正な保証の実施について指導に努めるとともに、金融機関に対しても貸し渋り等が起きないよう適切な対応を申し入れること。

(2)中小企業の経営支援の充実

大阪経済の回復基調を確実なものとするためには、中小企業の経営革新に対する取り組みをより一層促進させることが必要であることから、国の支援制度に頼らず、府独自の経営革新支援策について検討すること。

その際、中小企業が経営革新に取り組む意義を見いだせるよう、経営の改善や成長のチャンスを掴んだ成功事例などを活用した意識啓発、経営革新意欲の掘り起こしを進めること。また、地域の小規模事業者などが取り組む新事業等について、資金面や販路面などを地域と連携して支援する新たな仕組みづくりを行うこと。

(3)大阪産業・成長新戦略による中小企業支援体制の構築

大阪経済の力強い成長を実現するために本年3月に策定された大阪産業・成長新戦略に基づき、大阪の多様なポテンシャルを活かしながら、持続的な成長を図っていくための施策を実施していくことが必要。とりわけ、大阪の強みであるものづくり産業について、その高度化を図るとともにそれらが支える成長有望分野を重点化し、中小企業の潜在力を伸ばし、活かす取組みに努めること。

(4)大阪の産業競争力を高める産業人材の育成

大阪が高い競争力を実現するためには、優れた多様な人材が行き交い、また、人材を育成・確保することが必要である。そのために、大阪の強みであるものづくりについての明確な戦略のもと、ものづくり人材を中心とした育成や活躍を支援し、大阪の産業人材の充実のため、次のような施策展開を図ること。

  1. 若手人材の活用等とともに、退職期を迎える団塊世代の方々に、培ってきた様々なノウハウを活かし、引き続き中小企業における技能伝承や技術高度化、次世代経営者の育成を担っていただき、こうした企業OBなどの地域の人材が有する技術やノウハウ、人脈等を活かして地域経済を活性化する取り組みを進めること。
  2. 大阪・関西に在住の海外からの留学生・研究者が、大阪で起業したり、就職したりすることで、大阪経済に活力を与え、企業にとっても海外と大阪を結ぶブリッジ人材となることから、企業とのマッチングをはじめ大阪での定着を図るための取り組みを府が率先して進めること。
  3. 大阪が国際的なものづくり都市をめざし、その地位を確立していくためには、ものづくりを支える人材について、現場の高度熟練技能を一層高度化していくとともに、中小企業の国際対応力、国際競争力をもったものづくり企業の中核を担える人材を育成、確保していくことが必要である。そのためには、経済団体や大学等だけでなく、学校教育や企業内の育成など、戦略的にものづくり人材の育成のための連携を図ること。   
  4. 個々のニーズに応じた特色ある技術専門校の構築のため、高等職業技術専門校再編基本構想において平成20年度以降に新設校開校とされている東淀川校と守口校の再編整備を急ぐこと。

(5)中小企業の海外販路開拓支援の充実

オンリーワン企業をはじめ優れた技術や製品を持った中小企業が、大阪には多数存在するが、販路開拓力の弱さが課題となっている。

特に、アジア市場をはじめ海外への販路開拓は、今後の大阪産業の成長にとって不可欠であることから、商品情報の内外への発信や見本市・商談会への出展などについて仕組みづくりを進めるとともに、海外展開にあたっての現地情報の収集や現地企業とのビジネスマッチング等について、「大阪プロモーションデスク」のもつ民間ノウハウとネットワークを十分に活かしながら、企業ニーズにきめ細かく対応した海外販路開拓支援に努めること。

また、海外との取引にあたっては、法制度や取引慣習等が国によって異なることや、特に中国では税制や法制度の改正が頻繁に行われることなどから様々なリスクがあり、多くの撤退事例も見られることから、中小企業が適切な海外展開・海外取引ができるようワンストップで相談できる窓口を開設すること。

その際、日本貿易振興会(JETRO)等の海外専門支援機関やメーカー、商社など海外進出している民間ノウハウの活用に努めること。

(6)大阪雇用促進重点施策の実施

  1. 「雇用・就労支援プログラム」に基づく施策の推進
    「雇用・就労支援プログラム」に基づき、雇用失業情勢が改善傾向にある中で依然として厳しい状況にある就職困難者に対する雇用就労支援策の充実を図ること。
    特に、ホームレス、障害者、若年者に対しては、次の施策展開を図ること。


    ・ホームレスの人たちの長期化や高齢化により、就職に就くことが困難な人が増えていることから、就職及びその定着率の向上のため、自立支援センターと連携し、よりきめ細かな自立支援実施策を行うとともに、国の基本方針等の見直しに際して、積極的な働きかけを行うこと。また、「大阪ホームレス就業支援センター」における就労機会の確保を図るため、経済団体等との連携を図りながら仕事の開拓に取り組むこと。

    ・府内18ヶ所の障害保健福祉圏域に障害者就業・生活支援センターが1ヶ所ずつ設置されるよう国へ強く要望すること。

    ・景気回復により企業の採用意欲が高まりつつあるなか、若年者完全失業率や新規高卒者の就職状況については改善傾向が見られるものの、産業構造の高度化等社会情勢の変化等により、依然として雇用のミスマッチが続いている。 このため、若年者の就職意欲の醸成はもとより、若手人材の不足に悩む中小企業と正社員をめざす若手人材のマッチングや、企業ニーズに対応した人材育成などに取り組むこと。

    ・特に、「JOBカフェOSAKA」について、国、産業界、教育界等との連携を強化し、多様化するニーズに的確に対応できるよう機能強化を図り、若年者の雇用確保と中小企業の人材確保支援に努めること。
  2. 「第8次大阪府職業能力開発計画」に基づく施策の推進
    中小企業で働く人材を育成・確保するためには、産業界のニーズを踏まえながら、企業で働く従業員や求職者の職業能力を開発・向上させることが重要である。このため、平成18年度を初年度とする第8次大阪府職業能力開発計画に基づき、府立高等職業技術専門校における職業訓練をはじめとする施策を展開することによって、大阪産業の発展を支える人材の育成に取り組むこと。

【7】大阪産業を守るまちづくり

(1)大阪産業を守る用途区分の崩壊対策

我々は、府内の様々な地域で工業地域やその周辺地域での建売住宅やマンション建設が増えて、地域で製造業を営む中小零細企業が、法的要件を遵守しているにも拘らず、地域事情を知らない住民との間で、新たな問題が発生し、操業自体が危ぶまれる状況にある問題点を取り上げてきた。

用途区分により本来認められている工業地域での操業が住宅建設により危機的状況に至ることは、まちづくりの破壊である。

この問題を解決するためにも、本年度実施される現況調査に基づき、地域で様々な取り組みがなされるよう市町村をバックアップするとともに、第二種産業集積促進地域の指定を通じて、市町村との施策面での連携も図り、工場集積の維持・発展に向けた支援策の展開に努めること。

(2)企業立地促進条例の具体化促進

今年4月から施行された企業立地促進条例に基づき、立地企業への情報提供等の企業立地促進施策の立地企業に対する一元的な対応、交通の利便性等の総合的な企業立地の魅力向上など条例の具体化の促進を図ること。

(3)市町村と協働したインナーエリアの整備促進

東部大阪のものづくり企業を点としてとらえるのでなく、例えば、「東部大阪ものづくり基盤技術産業エリア」といった地域として位置付けを行った上で、道路整備等を含めた取組みの促進を図ること。

【8】大阪のにぎわい、活性化

(1)アジアのにぎわい都市・大阪ビジョンの推進

多くの強みを持つ大阪が、活力と魅力にあふれた存在感のある都市としてアジアから注目されるよう、アジアのにぎわい都市・大阪ビジョンに基づき、「交流」「協働」「貢献」の取り組みを推進すること。

とりわけアジア主要都市サミットや世界華商大会は大阪の存在感を示す重要な取り組みであり、2007年の関西国際空港の2期滑走路の供用開始も視野に入れながら、着実に開催準備を進めること。

また、2008年にG8サミットの関係閣僚会議が関西3都で開催され、大阪では財務大臣会議が開かれることから、これを契機として関西・大阪の魅力の世界への発信に努めること。

(2)関西国際空港の国際競争力の強化・活性化と大阪国際空港の位置づけ

  1. 第2滑走路の供用開始を踏まえ、関西国際空港がアジアそして世界と関西を結ぶゲートウェイとしての役割を果たせるよう、休便となった路線の復活や、関西国際空港ならではの特色ある国際路線開設に協力するとともに、国際線との乗り継ぎ利便性を向上させるための国内線の整備を国や関係者に強く求めること。また、「国際貨物ハブ空港」を目指し、アジアを中心とした貨物ネットワークの構築と空港島内における多機能集約型の物流拠点整備が進められるよう、国や関係者に働きかけること。
  2. 関西国際空港の集客力を高め来港者の増加を図り、空港そのものを魅力ある施設として活性化するために、空港連絡橋通行料金などアクセスコストを引き下げるよう関係者に働きかけるとともに、空港島内でのイベント開催などにぎわいづくりを促進すること。さらに、外国人観光客の日本への印象は空港から始まるとの認識のもと、外国人にとっても快適で利用しやすい施設となるよう関係者に働きかけること。
  3. 関西国際空港への支援のあり方については、空港会社の経営は国が責任を持つべきであり、府としては「関西国際空港全体構想促進協議会」のエアポートプロモーション等を通じて、空港の利用促進や空港島のにぎわいづくりに向けた集客支援策を更に充実すること。
  4. 大阪国際空港は国内線の基幹空港という位置づけから離れることなく、関西経済の発展・都市形成に最大限の効果を発揮するための運用について、国との協議を進めること。
  5. 関西の空港行政を一体的にとらえ、三空港を総合的に考えた経営のあり方を国に求めるとともに、神戸空港の開港により、三空港の飛行航路が複雑化しているので、万全の安全確保を関係者に強く求めること。

(3)観光の振興

来阪外国人旅行者数年間200万人を目指して、大阪府観光戦略プログラムに基づく、VISIT OSAKAキャンペーンを推進し、今後、大幅な観光客の増加が期待される東アジアの国々の観光ニーズに応じた取り組みを進めること。とりわけ、中国に対する誘致活動を積極的に進めるため、現地統括本部長や観光プロモーター、大阪プロモーションデスク等の情報を十分活用し、戦略性をもった積極的な取り組みを図ること。

 なお、海外プロモーションにあたっては、「世界陸上大阪大会」や「第9回世界華商大会」などを大阪への観光集客の機会と捉え、積極的にPRに努めること。

あわせて安くて安全・快適に宿泊できる簡易宿泊所が大阪の新たな宿泊拠点として定着しつつあるので、官民が一体となって、積極的なPR活動や利用促進策を実施するとともに、案内板、標識、案内アナウンスなどのインフォメーションを多言語で行い、観光客が安心して大阪を訪れることができる環境整備に努めること。

さらに、観光による直接的な経済効果に加え、大阪が誇るオンリーワンのものづくりの成果や伝統を、来阪する外国人旅行者にわかりやすい内容で広く紹介する取り組みを進めるなど、観光も大阪の産業振興の一つの手法として活用を図ること。

(4)文化振興条例に基づく施策の推進

文化振興にあたっては、次代を担う子どもたちに豊かな歴史に育まれてきた大阪の文化をしっかりと引き継ぐとともに、豊かな感性を育めるような文化的環境を整えること。また、大阪の文化力を活発にし、大阪の顔としての文化を内外にはっきりと発信していくためには、将来の大阪文化をリードする意欲ある若手のアーティストが十分に活躍できるよう支援するなど、人材の育成に積極的に取り組むこと。

特に、大阪センチュリー交響楽団は、関西の音楽分野の人材の育成の観点から重要な位置を占めていることから、安易な統合・解散を行わないこと。

(5)文化遺産の保存促進

大阪府内に数多く残されている、貴重な文化遺産の保存のため、有形文化財の修理・修復、無形文化財の保存・継承に努めることに加え、特に、世界に通ずる文化遺産である仁徳陵古墳を有する百舌鳥古墳群及び応神陵古墳を有する古市古墳群については、ユネスコの世界遺産登録に向けた取組みを積極的に行うよう、国へ働きかけること。

【9】医療・福祉の充実と府民の健康増進 

(1)医療制度改革に必要な視点

  1. 国が進める医療制度改革により平成18(2006)年に70〜74歳層への2割負担、現役並み所得者への3割負担導入、介護療養型病床の大幅縮減(最終廃止)、診療報酬の医療区分改正のほか、人工透析患者の自己負担など、患者負担を大幅に増やす内容となっていることから、府民への影響を明らかにすること。また、国保財政の都道府県への負担転嫁や医療費適正化計画による国の関与の低下など、国民皆保険の根幹をゆるがすことのないよう国へ働きかけること。
  2. 後期高齢者医療制度の広域連合について、市町村による円滑な運営のために必要な事務的・財政的負担等に対する支援策を講じるよう国へ働きかけること。

(2)医療と介護の連携の強化

  1. 介護予防については、各市町村において地域支援事業の実施は十分とは言えない状況であり、一般高齢者および特定高齢者施策の実施方法やその評価を含め、引き続き市町村に対する府としての支援を実施すること。
  2. 介護型療養病床の廃止など、療養病床の再編成のシミュレーションを早急に行い、課題を整理した上で利用者の視点に立った万全な措置を講ずること。
  3. 脳血管疾患の治療は、急性期、回復期の医療から在宅介護に至るまで、継ぎ目のないケア体制が不可欠である。しかし、医療の場面では診療報酬の逓減制等により、継続したリハビリテーションの提供が困難な状況があることに加え、その後の介護に繋がる連携体制も十分ではなく、患者への不利益は少なくない。
    障害者医療・リハビリテーションセンターを中心にした市町村リハビリテーション実施機関・相談機関等との連携体制の整備を行うと共に、二次医療圏内の事業者間のネットワークづくりを支援すること。
  4. 介護現場の人材確保については、コムスンによる介護報酬不正請求に関する問題の発覚以後、府民の介護保険事業者に対する不信感、不安感は少なくない。一方、介護保険事業者側にもスタッフの勤務継続年数の短さや給与体系など、適正なサービスを提供することが困難な実態があるため、これらの実態を調査し、その根幹となる介護保険制度の問題点の改善を国へ働きかけること。

(3)小児科医療及び産婦人科医療の充実

  1. 次期保健医療計画策定では、小児科、産婦人科の集約化・重点化に伴うメリット、デメリットを明確にしたうえで、医療圏域ごとの実情に応じた病床確保についても反映すること。また、引き続き在阪医系5大学との連携や、人事システムの整備を図り、小児科、産婦人科の医師確保対策の充実に努めること。
  2. 小児科及び産婦人科については従事する医師が減少傾向にあり、初期救急医療体制を維持することが困難になりつつある。初期救急医療体制の整備については、本来市町村の責務であるが、医師の広域的な確保調整など市町村の枠組みを超えた課題があることから、府としてもその実現に向け、積極的に支援すること。  
  3. 「小児救急電話相談事業」については、携帯電話を含めて短縮ダイヤル♯8000による相談体制の整備を行い、さらに、聴覚や言葉に障害のある保護者からの相談に応じられるよう、FAXやEメールも活用するなど、保護者の不安を解消し、安心できる小児救急医療体制を確立すること。その実施状況については、府民に分かりやすく広報・周知に努めるよう、市町村に働きかけること。

(4)府内公立病院への支援強化

開業する病院勤務医の増加や卒後臨床研修制度の導入等により、公立病院の医師不足が顕在化し、診療科の休診や廃止に追い込まれる事例も発生していることから、安心できる地域医療体制を確保するため、府からの緊急・臨時的な医師の派遣、在阪医系5大学との連携強化による医師派遣の働きかけ、離職医師の職場復帰対策などの支援を強化すること。

(5)救命都市大阪を目指した施策の充実

  1. 誰もがどこでも救命活動に取り組む気運を高め、対策が講じられるために、米国のよきサマリア人法などを参考して、善意で行う救命行為に関しての結果責任が問われない免責規定を、医療関係法令に規定するよう、国へ働きかけること、並びに、「救命都市大阪条例」を制定するなど、オール府民で、救命の意識を共有できる施策をさらに充実すること。
  2. 現在、公共施設や事業所にAEDの配備が普及しつつあるが、今後は配備とともに市民への啓発が必要である。このため、地域住民や各種団体の実施するイベント・競技会等の開催にあたり要請があればAEDの貸し出しや、出向いて講習会を開催するなど、啓発事業が実施できる体制を整備すること。
  3. 過疎地域・交通渋滞発生地域等における救急医療への対応や、高速道路上での事故・大規模災害等ダメージが大きく一刻を争う患者が発生した場合の対応については、救命率の向上や後遺症の軽減を図るため、関係機関と協議し、ドクターヘリを早期に導入すること。

(6)障害者福祉施策

障害者自立支援法の施行により従来のサービス水準を引き下げられることがないよう、かつ、施設の運営が成り立つよう、障害者および施設の実態把握に努めた上で、必要であれば国へ強く要望するとともに、府内43全市町村とも十分連携を図り、福祉サービスを必要とする人に対して、必要なサービスを確実に提供していくこと。

  1. 特に、以下の4点の課題について、個々の障害者の方が、国庫負担基準の引き下げや、各々の方の障害種別・程度の区分判定結果に影響されずに、従来からの負担額が増加しない現行サービス水準確保ができるよう、その解決を国へ強く求めるとともに、市町村に対する、府としての支援策も検討・実施すること。 ・障害福祉サービス、医療、補装具、地域生活支援事業(移動支援等)の利用料負担の軽減措置 ・現行サービス水準を確保しうる国庫負担基準額の設定、ガイドヘルプや地域活動支援センター等の地域生活支援事業の財源確保、障害程度区分の実態を反映した認定 ・グループホーム・ケアホームの運営支援の維持と入院期間中の報酬カットの見直  し ・地域活動支援センターや日中活動系サービスの運営支援
  2. 医療・保健・福祉等の制度改革の中で、障害者の方が各制度の狭間に埋もれることが危惧されるため、適切な介護給付・訓練等給付・医療給付が行われ、適切な障害者ケアマネジメントが実施されるよう、府内市町村及び地元医療機関と連携を図ること。 B各施設の授産事業の収益性の向上を図るため、授産製品の中で市場性のある売れる商品の選択、販売場所の新規開拓、流通ルートの決定など、市場への流通を迅速に行わせる販路流通支援システムを本格的に構築し、各施設が個別には出来ない規模の販売促進活動を府内外で広く行うこと。また、授産製品の品質向上、並びに、工賃以外のコスト低減を目指す技術指導支援を行うこと。
  3. 例えば、身体障害者関連法に基づきハンドル型電動車いすを給付されている者が、介護保険法への適用を優先された場合に、JR西日本をはじめとする鉄道の乗車が拒否されないよう、市町村向けの研修会において府として周知を図っていることは一定評価している。しかし、未だ乗車拒否される事例が見受けられるため、政令市を含む府内全市町村に対して周知を徹底すること。

(7)がん対策基本法制定を受けた取組み

自ら、がん患者であることを公表し、まさに体をはって成立を訴えた、山本たかし参院議員の思いにより制定された当該法律においては、患者と家族や遺族の参加を含めたがん対策推進協議会の設置や、患者の視点を盛り込んだ、がん対策推進計画の策定を、国と都道府県に義務付けたところである。

そこで、がん診療の拠点病院の整備や研究体制の充実、がん検診受診率向上のための方策の実施など、これまでの大阪府健康福祉アクションプログラムなどをふまえて、今後、一層強い決意で取り組むこと。

(8)健康増進法を受けての受動喫煙防止対策

たばこが健康を損い、がんの原因の最大の要素であるという意識が府民に着実に浸透している結果が平成17年度実施の「健康おおさか21」中間評価において報告されている。

そこで、前項の山本議員の思いを真摯に受け止め、学校や病院、飲食店、その他多数の方々が利用する施設の管理者が、受動喫煙防止に必要な措置を講ずるよう、よりきめ細かく積極的に広報・啓発活動を展開し、大きな府民運動につなげていくこと。

(9)精神医療センターの現地建替え

施設が老朽化・狭隘化している精神医療センターについては、地元の意向を十分踏まえ、PFIの手法を積極的に導入し、患者の人権尊重、療育環境やアメニティの確保の観点から早期に現地建替えを推進すること。

(10)心神喪失者等医療観察法の運用

心神喪失者等医療観察法の運用にあたっては、精神医療センターが求められる公的使命を果たす上で過大な負担とならないよう、国に対し人材確保や財源措置等を強く働きかけること。

(11)厚生年金病院の機能維持

厚生年金病院の整理合理化にあたっては、大阪厚生年金病院及び星ヶ丘厚生年金病院がこれまで果たしてきた地域医療への貢献に十分留意し、これらの病院が持つ高度かつ公的な医療機能を引き続き維持できるよう国へ働きかけること。

(12)高齢者の社会参加促進 

本格的な高齢社会の中で、高齢者は、ますます地域において重要な役割を担うこととなってくる。そこで、高齢者人材の発掘・育成・社会参加支援を、市町村と連携しながら総合的に展開すること。

(13)福祉のまちづくりの推進

誰もが自らの意思で自由に移動でき、社会に参加できる福祉のまちづくりの実現が強く求められている。

そこで、特に多くの人々が利用する鉄道駅周辺のバリアフリー化を進めるため、「交通バリアフリー法」に基づく基本構想を府内すべての駅周辺で策定されるよう市町村を支援すること。府鉄道駅バリアフリー化設備整備費補助要綱第3条に規定する補助対象駅舎について、「乗降客数が1万人/日を超える駅舎」については、基本構想なしでも補助対象とするよう改正すること。

併せて、鉄道駅におけるバリアフリー化に対しては府民からの要望が特に強いことから、エレベータ設置についてのみを補助対象とすることなく、身体障害者用トイレ、スロープ、エスカレーターの設置など駅舎全体におけるバリアフリー化の整備実態に応じた補助制度へと改善すること。

また、福祉のまちづくり条例に基づき整備が求められている都市施設のうち、既存の施設の整備は十分進んでいないことから、定期的な改善計画を強く求めるなど、事業者の意識啓発を積極的に行うこと。

(14)福祉と農の連携

花や野菜などの作物を育てる農業や園芸作業は、心身を癒す効果があると言われている。この農業や園芸作業を障害者が広く取り組めるよう福祉と農が連携し、障害者の地域への参画や生きがいづくり、さらには自立した生活に向けて取組みを進めること。

(15)食の安全の推進

あらゆる食品(医薬品及び医薬部外品を除くすべての飲食物)について、その販売者に対し、消費者(購入者)への食材の原産地表示を義務付けさせた上で、不良食品の摘発・排除を行うとともに、食品のトレーサビリティ(流通経路における追跡可能性)を徹底し、食の安全に対する消費者の不安の解消に努めること。

(16)アスベスト対策

  1. アスベストによる健康被害者を救済するため、「石綿による健康被害の救済に関する法律」が施行されたが、多くの健康被害者が期待しているこの法律が、適切に運用され、隙間のない救済が図られるよう、国へ強く求めること。
  2. アスベストによる健康被害に不安を持つ府民に対し、保健所等を活用し、市町村とも連携しながら健康相談に応じられる体制を整備すること。また、呼吸器疾患の専門医療機関である大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター等で診療を受けられる体制も整備すること。
  3. 府立学校を含めた府有建築物における吹付けアスベストの除去等対策工事を計画的に実施すること。
  4. 今後、建築物の解体工事等が増加すると考えられることから、改正した「生活環境の保全等に関する条例」の周知を図るとともに監視体制を強化するなど、解体や改修作業におけるアスベストの飛散防止を徹底すること。
  5. アスベストを使用している市町村の水道管に対し、利用者の不安を取り除くことはもちろん、老朽化した石綿管の早期取替や、水道管工事の際のアスベスト取扱マニュアルの周知徹底など、抜本的な対策をとるよう指導及び必要な支援を行うこと。

(17)生活保護制度のあり方

基礎年金額が生活保障機能を十分に果たしていないことから、無年金高齢者への適用が増加する傾向にあり、年金改革との整合性をもった生活保護制度の設計について国への働きかけを行うこと。

さらに、障害者や母子家庭などの自立支援を促すために、収入認定による減額割合を見直すなど、自立を助長する仕組みづくりを検討するよう、国に働きかけること。

【10】環境保全活動の推進と農林水産業の振興

(1)地球温暖化・ヒートアイランド対策

  1. 京都議定書が2005年2月16日に発効し、温室効果ガスの削減を世界的に進めていかなければならない状況において、大阪府域では、地球温暖化にヒートアイランドが加わった2つの温暖化現象に直面している。このような中、「大阪地球温暖化対策地域推進計画」、「大阪府ヒートアイランド対策推進計画」の目標達成に向けて、実行可能な対策を早急に推進することが求められる。「温暖化の防止等に関する条例」及び一部改正された「自然環境保全条例」については着実に効果を出せるよう事業者や建築主の十分な理解と協力を得て適切な運用に努めること。また、府有施設においてこれらの対策(屋上への太陽光発電の導入など)を積極的に推進するとともに、府民や事業者、市町村と協力して取り組んでいくこと。
  2. 水の循環は、人間の生命活動や自然の営みに必要な水量の確保のみならず、熱の運搬、更には植生や水面からの蒸発散と水の持つ大きな比熱効果による気候への影響など環境保全上重要な機能をもっている。そのため、特に、雨水の活用や透水性・保水性舗装の促進により、都市における水循環のバランスを確保する取組みを進めること。
  3. 人と環境にやさしい都市公共交通機関であるLRTの意義が浸透しつつあることから、自動車交通からの転換など環境への負荷軽減等を目的とした視点で整備促進に向けた取組みを進めること。
  4. 石油の使用を抑制し、自動車排出ガスを削減する上で、環境に負荷がかからない交通手段である自転車の利用が極めて有効であることから、自転車の利用を促す施策を展開すること。また、都市において、自転車が利用しやすい環境を整えるため、既存の幹線道路を活用した自転車道のネットワーク化を図ること。
  5. 郊外から都市に吹き込む風の通り道を造れば,郊外の低温の空気によって 澱みが解消され,上空の低温の空気も降りてこられるようになることから、ドイツのシュトゥットガルト市で採用されている「風の道」対策を、長期的に都市計画に盛り込むことを検討すること。
  6. 大企業に対してのCO2排出削減量の義務化を規定した条例の制定
    CO2排出総量の削減を達成するため、特に、業務用ビルや工場などの大規模事業所に対して、二酸化炭素(CO2)排出削減の義務付けや、省エネ設備や太陽光発電装置を導入した中小事業所や家庭から排出枠を購入できる「排出権」取引制度の導入などの制度化を検討すること。
  7. 実効性のある具体的な流入車対策の推進
    自動車NOx・PM法の規制を受けない排ガス性能の悪い車両が、周辺府県等から流入ことについては、府域の環境改善の妨げになっていることから、特に、規制不適合車を使用する、規制対象外地域の運送業者へ、故意に運送依頼を行っている悪質な業者に対しては、罰則を強化した上で、警察部局と連携し摘発を行うこと。

(2)循環型社会に向けた取組み

  1. 「循環型社会形成推進条例」に基づく自家産業廃棄物の保管の届出等について、建設業製造業等関連業界に対する周知・徹底を図るとともに、産業廃棄物の不法投棄など不適正処理の取り締まりを強化し、リサイクル社会の実現を目指すこと。 また「放置自動車の適正な処理に関する条例」は、その適用範囲が、府が所有または管理する土地に限定されている。自動車リサイクル法の施行に伴い、府域の放置自動車対策をより一層推進させるため、これまでの課題を明らかにするとともに、道路や河川等の管理者である市町村に対し、あらゆる機会を利用して条例の制定・改正を働きかけること。 また、古タイヤの燃料化についても、その実用化に向けた開発に対する取組への助成等の支援を検討すること。 
  2. 大阪では、この間、家電リサイクル法の施行前から安価な料金で、しかも家電メーカーに匹敵する技術を有してリサイクルに取り組んできた再生資源業者を活用することにより、消費者の負担軽減を図る家電リサイクル大阪方式を推進してきた。   法改正に際しては、こうした取組みを踏まえ、法の枠組みの中に再生資源業者を位置付けられるよう、国に働きかけること。
  3. 周辺環境に著しく悪影響を及ぼす硫酸ピッチなどの有害物質の不法投棄が問題になっているが、民有地において不法投棄した関係者が不明な場合は、原状回復の行政代執行ができずに、被害にあった土地所有者が処分費用を負担しているのが現状である。急増する産業廃棄物の不法投棄に対応するため、原状回復のための被害者救済制度を検討するよう国に対して求めること。

(3)環境アイランドの実現

「大阪エコエリア構想」に基づき、リサイクル施設や共生の森事業をはじめ、堺第7−3区における環境アイランドの充実を図ること。堺第7−3区の処分場の跡地利用については、リサイクル施設の建設などを念頭に地元市と協議すること。

また、環境への関心が高まるよう、エコ関係のイベントの開催や展示施設の活用など、環境教育の拠点としての活動の充実を図ること。さらに、府民の憩いの場として、広場等を開放すること。

(4)都市農業の振興と農空間の保全・活用等

  1. 大阪の農業・農空間は、府民の身近にあって、安全で新鮮な農産物を供給することはもちろん、ヒートアイランド現象を緩和し、多様な生き物の生息の場となるなど豊かな都市環境・自然環境の形成に大きく寄与している。加えて、教育や福祉、防災など、様々な公益的な役割を有しており、府民の安全で快適な生活を実現するためには極めて重要である。 こうした中、地産地消の一層の推進や、団塊の世代をはじめとした新規就農の促進、さらに、良好な環境の形成や地域の防災機能の向上に農空間を活用することなど、大阪らしい農政を展開していくため、農業者はもとより多くの府民と一体となって、都市農業を振興し、農空間を保全・活用するための条例を制定すること。
  2. 大阪農産物の安全対策については、食の安全確保が求められている中、府民の安全安心な農産物を求めるニーズに応え、大阪農産物に対する信頼を確保・構築するため、生産履歴の記帳など生産者が取り組むべき事項を示し、その普及を図るなど、信頼度の高い情報が府民へ届くシステムを、食品安全検査機能を強化した上で構築すること。
  3. 新規就農総合対策については、平成17年6月に策定された「大阪農業・元気倍増・普及プラン」において、基幹的農業従事者の確保について目標が示され、これに基づく、新規就農対策の実施が打ち出されている。 なかでも、定年帰農者を中心として、都市住民の就農意欲が高いことから、スムーズな営農を可能とする総合的な新規就農対策を実施すること。

(5)里山の保全

大阪府近郊の里山は、林産物の供給の場や田畑、海を育てるための貴重な水源であるだけでなく、都市住民にとっても生活の上での人間関係の再構築や文化形成にとって、大きな役割を有し、地域の活性化を促す重要な存在である。そのため、森林所有者、地域住民等のほか企業、NPO法人、森林ボランティアなど都市住民とともに府民協働型の里山づくりを推進すること。

(6)府民協働による身近な水辺の再生

ヒートアイランド現象の緩和や環境学習の場として活用できるよう、河川、農業用水路、ため池などの身近な水辺を安全に配慮しつつ府民協働により再生すること。

(7)動物愛護センターの設置

国が定めた「動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針」によれば、施策の実行を支えるための基盤整備が重要とされている。中でも基幹的な拠点としての動物愛護管理施設等の拡充を図ることにより、施策の実施体制のより一層の強化が求められている。

このことから、動物のふれ合いなどを通じた学習、適正飼養の普及啓発や譲渡の促進などの愛護機能を備えた「動物愛護センター」の建設に着手すること。

(8)動物由来感染症対策の拠点整備

高病原性鳥インフルエンザをはじめ、動物由来感染症の海外からの侵入に対する府民の不安は、食の安全の観点からも大きなものになっている。

このような状況に対して、府内に検疫機関、研究機関、検査機関が相互に連携した拠点づくりが必要である。

このため、関西国際空港の動物検疫所や、りんくうタウンに移転する府立大学大学院獣医学専攻等とも連携するなどこうした課題に対応できるような動物由来感染症対策の新たな体制整備を図ること。

(9)環境農林水産総合研究所の中期計画の実行

本年4月に、食とみどりの総合技術センター、環境情報センター、水産試験場を統合し発足した環境農林水産総合研究所については、第1期中期計画に基づき統合効果を発揮すべく運営されているが、同計画に示された「重点研究分野」への研究資源の選択と集中を図ることなどにより府政課題の解決に貢献する調査研究・技術開発を積極的に推進するとともに、研究等の成果の普及・移転と活用を確実に進めること。

また、大学、企業等との連携を強化し、国等からの競争的資金の獲得にさらに積極的に取り組むとともに、機関運営全般及び試験研究課題の評価を実施し、その結果を運営や研究の改善に反映させるなど、数値目標の点検も含め中期計画の着実な進捗管理を行うこと。

(10)新たなため池オアシス構想の策定

ボランティアやNPO、団塊の世代の力も活用し、新たなコミュニティの育成や広がりのある環境整備に取り組むため、新しい「ため池オアシス構想」を策定すること。

【11】教育の向上

(1)改正学校教育法等の教育関連3法

先の国会において、@副校長、主幹教諭等の新設、A文部科学大臣の教育委員会への指示権・是正要求権の新設、B有効期間10年間の教員免許更新制の導入などが規定整備された、いわゆる教育関連3法への対応については、各学校現場で混乱のない運用を行うこと。

(2)府立高校の改革・全国学力テスト

  1. 民間人校長制度導入、府立高校全日制普通科の通学区域の拡大や府立高校特色づくり・再編整備計画など府立高校の改革について、これまでの審議・運用に関しての検証を行うこと。
  2. 平成19年度入学者選抜から府立高校全日制普通科の通学区域が拡大されたことについては、特定の学校に受検者が集中し、学校間格差が大きく生じることのないよう、中学3年生等に十分な情報をきめ細かく提供し、市町村教育委員会と連携して進路指導に留意すること。
  3. 府立高等学校教員の確保において、即戦力のある優秀な教員を確保するため、教員採用の際に、講師として学校現場における経験が豊富な者を優先的に採用する、又は、講師経験年数10年を2〜3年に緩和する制度を検討すること。
  4. 東京都足立区の区独自の学力テストにおいて、校長・教師が得点操作といえる不正を行っていたことが発覚されたところであり、今年4月実施の全国学力・学習状況調査結果の取り扱いについては、市区町村任せにせず、市区町村や学校間の序列化や過度な競争をまねかないように、慎重に行うよう、市区町村に助言すること。

    (3)私学教育の振興 

    1. 私立高等学校生徒の保護者負担の公私間格差是正に向け、府としてのグランドデザインを策定すること。
      授業料軽減助成の財源措置を国に求めるとともに、大阪府育英会奨学金制度について周知徹底を図ること。
      また、いじめ対策については、今年2月議会の質疑を踏まえて、万全の措置を講ずること。
    2. 子ども人口の減少に対応し、公立学校との共存を念頭においた、大阪の私立学校(教育)の長期将来ビジョンの策定に着手すること

    (4)こころ豊かな教育内容の充実

    1. 特別支援教育
      ・盲・聾・養護学校及び養護学級の教員に支給している調整額の廃止にあたり、その相当額を他の事業に充当することなく、障害児童・生徒の教育の充実にあてること。 ・小中学校の通常学級における特別支援教育の充実のため、教員を加配するとともに、子どもの様々な障害に対応して専門的なアドバイスを教員に与える専門職員を各市町村教育委員会に配置すること。 ・特に、重度障害児への教育の充実のため、重度障害児介助員の人件費を、府としても、各市町村に対して追加負担すること。 ・養護教諭に対して、基本的な看護の研修を十分に行うとともに、新規採用の際には、看護師資格の有無を考慮すること。
    2. 知的障害のある生徒の教育環境の整備
      高等学校における知的障害のある生徒の受け入れについては、保護者の希望とかけ離れた状況となっているため、まず、一緒に学ぶことになった障害のない生徒に対して、ノーマライゼーションの精神を理解する教育を行うなど、施設の整備充実だけでなく、人的体制の整備充実を図ったうえで、各校の受け入れ人数を大幅に増やすこと。 また、将来的には障害程度に応じて本人の資質が生かせ、自ら学びたい学校を選択できるよう各行政区単位(各市区町村)に一校以上受け入れ校を設置するなど地域で共に学び、共に育つ環境整備を進めること。
    3. いじめ問題への対処
      いじめが原因で府内の公立中学生が自殺した事件が発生したことを重く受け止め、スクールカウンセラーの増員等による相談体制の充実、隠蔽をしない組織づくりなど、学校における、いじめ問題解決への取り組みを進めること。
    4. ITの活用
      わかりやすい授業の展開のために教育用デジタルコンテンツの開発及び活用の方針を作成し、市町村の取組みを支援すること。小中学校普通教室のLAN整備の著しい格差を解消し、学校の情報化推進のための体制を充実すること。 ただし、子どもの対面コミュニケーション力が低下しないよう、人のつながりを重要視したIT教育に留意すること。
    5. 学校におけるくすり教育の促進
      小学校高学年及び中学生に対して、総合的な学習の時間等を利用し「正しい薬の知識」を身に付けるための「くすり教育」、麻薬・覚せい剤及び安易な薬品の乱用防止、並びに運動時に医薬品服用の注意を必要とする「アンチ・ドーピング」等薬の適正使用に関する今後の学校教育に必要な措置を講じること。
    6. 放課後子ども教室推進事業
      文部科学省所管の同事業の実施については、厚生労働省所管の放課後児童健全育成事業との一本化に向けた実施方針内容を国に確認したうえで、府単独関連事業も併せた実施指針を市町村へ早急に示し、平成20年度からの円滑な実施に向けて必要な予算措置を行うこと。

    (5)充実した教育環境の整備

    1. 学校の安全対策
      本来学校は地域に開かれた中で教育がなされるべきものであるが、最近の学校における事件の多発は放置できないことも事実である。 大阪府が3年間の期限付きで小学校の警備員等の配備に対して2分の1の補助を平成17年度から実施したが、引き続き平成20年度以降についても、大阪府として継続実施するとともに、中学校への補助対象の拡大を図ること。また、大阪市に対しても、府と同様の対策を採るよう働きかけること。さらに、国に対しても、さらなる安全対策を求めること。
    2. 府立学校の大規模改修
      強度不足で使用停止となる校舎が出たことを重く受け止めるとともに、府立学校における教育環境の改善を図るため、老朽化が進んでいる校舎について平成19年3月に策定した実施方針に基づき早急に耐震改築・改修を進めること。 工事(工法)の選択については、画一的な耐震補強工事を行うだけでなく、大規模改修との併用工事の是非を十分に検討・精査して実施すること。
    3. 小学校の施設整備
      府の施策により平成16年度から実施している小学校1・2年生の35人学級については、35人学級の小学校3年生以上の導入、並びに、小学校1・2年生の30人学級の実現をはかること。その際には、クラス増に伴う施設整備(増築、改造など)が必要となるため、教職員配置と同様に、施設整備費に対する補助制度を創設すること。

    (6)夜間定時制高校の充実

    「新高校整備推進プロジェクトチーム(夜間定時制の課程)報告書」に示された、柔軟な単位認定、カリキュラムの充実、施設設備の

    拡充などの改革が推進されたが、その内容について、保護者、中学校、関係機関等に対し、十分な説明を行い、周知すること。

    その際に聴取した要望については、十分な検討・分析の上、今後、引き続き、夜間定時制高校で学ぶことを望む生徒の就学機会を損なうことのないよう保障すること。

    (7)伝統文化を継承させる教育

    歴史と伝統のある関西の文化を振興していくためには、幼い頃からこうした地域・郷土の伝統文化に触れる機会を設け、次代に継承できる人材を育成する必要がある。

    そこで、学校教育において、義務教育の段階から身近にある地域の伝統文化を学べる機会を地域人材の活用を図りながら取り入れること。

    (8)府立大学のあり方

    府立大学施設整備プランに基づいて、改修整備を進め、老朽化・狭隘化の解消を図るとともに特にバイオ教育研究環境の充実を図ること。

    【12】子育て支援と男女共同参画社会の実現

    (1)子育ち・子育て支援・少子化対策

    1. 大阪府における合計特殊出生率が全国平均を下回る1.22人(平成18年)であり、30〜34歳の女性就業率が全国平均を下回る48.9%(平成14年)であることを踏まえ、就業を続けながら、安心して子どもを生み、育てられる環境整備に向け、実効性ある取組みを進めること。
      次世代育成支援対策推進法では、国及び地方公共団体以外の事業主は「一般事業主行動計画」を策定し、国に対しその旨を届け出ることが義務付けられている。
      常時雇用する労働者の数が300人以下の事業主については、策定・届出が努力義務となっているが、福祉、介護、IT部門などの人的資源に重きを置いた業種で浸透しつつある。そこで、仕事と家庭の両立のための取組みを府としても大阪労働局とさらに連携を深め、中小企業の支援を含め、推進していくこと。
      特に、平成17年の育児休業取得率が女性で72.3%、男性で0.50%であることを踏まえ、子育てのための休暇取得・勤務時間短縮の手続きが認知されるよう、府民及び企業への啓発に努めること。模範を示して、大阪府は、事業主としての責務を果たすべく、特定事業主行動計画の取組みを促進すること。
    2. 子育て家庭における経済的負担が理想とする数の子どもを持てない大きな理由となっていることから、特に多子家庭を対象に保育料の減免や幼稚園の保育料補助をするよう国に要望すること。また、医療費助成事業の対象を小学生にまで早期に引き上げること。 また、子育て支援を進める上で必要となる財源を確保するための検討を行うこと。

    (2)DV防止・児童虐待防止と被害者支援

    1. DV防止のための非暴力コミュニケーション術や加害者教育プログラム等の開発、普及を行うこと。性暴力等あらゆる暴力から自らを守り、また被害者にも加害者にもならないために、幼児期から高校生まで成長に応じた学習やエンパワメントの機会を保障していくこと。特にこどもエンパワメント支援事業を継続、拡充すること。
    2. DV被害者が生活の基盤をつくり早期に自立できるよう、福祉向け住宅の応募に加え、更なる支援制度を設けること。
    3. DV被害者を支援するNPO、特に、民間シェルターを運営するNPO法人に対する財政的支援を、さらに充実すること。
    4. DV被害者の自立のための就労支援を行うこと。
    5. 児童虐待防止、早期発見、対応強化のため、学校医、教師、地域との連携を図るなど、子ども家庭センターの体制をさらに強化すること。また、児童養護施設へのカウンセラー等専門スタッフを充実すること。虐待ならびにDV(家庭内における夫などから妻への暴力)被害の子どものための施設における心理治療と社会適応訓練を充実し、少人数ケアなどを実施できるよう、職員配置の抜本的改善などを国に求めること。里親制度について、今後の充実を検討すること。

    【13】安全・安心なまちづくり

    (1)子どもの安全対策

    1. 小中学校近辺の信号や、歩行者を巻き込む交通事故が多発している交差点については、歩行者の安全を確保するため歩車分離信号を設置すること。
    2. 「エピペン」を処方された子どもが、学校内でアナフィラキシーショックを起こした場合、本人に代わって、担任の教員などが「エピペン」を使用できるようガイドラインの早急な策定を国に対し強く要望すること。また、学校においては、保管方法や管理体制等を整え、このような児童生徒が安全に学校生活を送れるようサポート体制の充実に努めること。

    (2)警察官の増員

    府民の身近で発生するひったくり・路上強盗等の街頭犯罪の認知件数は、減少傾向にあるものの7年連続全国ワースト1となっている。厳しい治安情勢を考慮し、政令定数による警察官の大幅な増員を国に対して、引き続き強く求めること。

    また、大阪府における検挙率が全国平均と比較して低い現状を踏まえ、検挙向上方策に取り組むとともに、防犯的な対策の一つとして、警察官の地域巡回は犯罪の抑止に大きな効果があることから、移動交番の充実をはじめ府民の目に触れる機会を増やす地域の巡回に努めること。

    (3)地域の治安を守る重要な空き交番対策等

    1. 空き交番対策及び交番の増設
      警察官の配置については、ひったくりや路上強盗等の街頭犯罪や各種事件事故が多発している地域の警察署や交番を優先するとともに、交番の警察官の不在時を極力無くすという意味において完全に空き交番を解消すること。
      さらに、犯罪発生を抑止し、府民の安全・安心を高めるため、予算を優先配分し、交番増設を進めること。
    2. 警察署・交番のIT化
      警察事務の効率化を図るため、パソコンの拡充整備及び通信ネットワーク回線の整備など、警察署・交番のIT化を進めること。

    (4)警察署の2分署

    1. 枚方警察署の2分署化について、今年度初めに候補地の用地買収を完了したところである。そこで今後新警察署の早期の設置に向けた基本構想・基本計画を策定し、一日も早い実現に向けてのスケジュールを示すこと。
    2. 吹田警察署の2分署化について、吹田市北部における治安維持や住民の利便性を向上させるため、現在の吹田署を分割して、市北部に新たな警察署を設置に向けて検討し、基本構想・基本計画を策定すること。

    (5)犯罪被害者等への支援

    誰もが突然犯罪に巻き込まれ、被害者になる可能性がある中で、犯罪被害者等基本法に基づく犯罪被害者等基本計画が平成17年12月、国において策定されたところである。犯罪被害者への情報提供、保健医療、福祉サービスの提供、居住や雇用の安定、被害者理解等の広報活動、民間団体に対する援助など、地方自治体に求められる役割も含まれていることから、犯罪被害者支援体制の充実を図ること。

    (6)信号機の設置促進 

    1. 交通安全に重要な役割を果たす信号機の設置については、府民からの設置要望に十分応えるため、予算枠を拡大するなど設置計画を前倒しする方策を検討すること。
    2. また、道路形態など物理的な制約により信号の設置が困難な地点については、各道路管理者と連携を強化し、速やかな対策を講じること。

    (7)公共交通機関の安全確保に向けた取組み

    1. 府内で運営している公共交通機関事業者に対し、運行の安全性を向上させるよう求めること。
    2. 踏切内の歩車分離を行い、踏切周辺での歩行者の安全を確保するよう鉄道事業者と一体となって対策を進めること。
    3. 踏切による事故等をなくすための抜本的な対策となる鉄道の高架化・道路のアンダーパス等に積極的に取り組むこと。  
    4. 鉄道に乗車している際の突然死を防止するため、列車内においてAED(自動体外式除細動器)を配備するよう鉄道事業者に要請すること。

    (8)違法駐車の取締り

    道路交通法の改正により、放置車輌の確認及び標章の取付けの事務を一定の法人に委託することができるようになったことから、駐車違反の対応業務については、通院介護や歯科医師の往診のための使用など公益上やむを得ない事情があると認められる車両は、公安委員会が行う駐車禁止規制等の対象から除外すること。また、郵政公社とその他の宅配業者との車との間に、取り扱いの格差が生じないように運用すること。

    (9)自転車の安全対策

    自転車は道路交通法上、自動車やバイクと同じ「車両」と規定されているにもかかわらず、最近、交通ルールを無視した自転車走行やそれに伴う交通事故が目立っている。

    そこで、これまで以上に交通ルールの周知徹底を図るとともに主に幼児を対象として最も生命に影響を及ぼす頭部を保護するためのヘルメットの普及啓発を図ること。また、悪質な法令違反については取締りをするなど、街頭での指導を強化すること。 さらに、自転車道の計画的な整備を図ること。